
お笑いコンビ・チュートリアルの徳井義実の“地上波レギュラー復帰”が話題を呼んでいる。
10月14日、徳井は2019年10月30日放送回より出演を見合わせていた『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)の2時間スペシャルに、約1年ぶりに出演することが発表された(同日19時56分より放送開始)。
2019年10月、徳井は自身が設立した個人事務所が3年間にわたり税金が無申告であったほか、服の購入など私的な支出を経費として計上したことで、約1億1800万円の申告漏れや所得隠しを東京国税局に指摘されていたことが発覚。この問題で同月から芸能活動を自粛していた。
その後徳井は、今年2月に芸能活動の再開を発表。しかし、自粛以前にレギュラー出演していた『しゃべくり007』や『人生が変わる1分間の深イイ話』(共に日本テレビ系)などへの復帰は依然かなわない状況だ。今回の『今夜くらべてみました』は、地上波レギュラー番組への復帰という意味では初となる。
2月の復帰以降、徳井義実は何を語ってきたのか、主要発言を検証する
2月の復帰宣言以降、徳井は3月にラジオ番組『キョートリアル! コンニチ的チュートリアル』(KBS京都)の収録を初仕事として芸能活動の再開を果たすと、所属する吉本興業の劇場に出演したほか、ライブ配信番組などに出演。それを受けての今回の『今夜くらべてみました』への出演が本格復帰の第一歩となるわけだが、ネット上では「芸能界って甘いんだな」「まださすがに早すぎでは」といった声も多い。
果たして徳井の復帰は、いまだ世間には求められていないものなのか? 2月の復帰後の活動のなかで徳井が発した発言の数々から注目すべきものをいくつか挙げ、その是非を考えてみることとしよう。
「復帰して●●やろ!」
活動再開直後となる3月15日に、吉本興業が主催する劇場のYouTube生配信でネタを披露した際の一幕。このなかでは、登場直後こそ「ご迷惑をおかけしてすみませんでした」と謝罪していたものの、「続きまして、福田さんの万引きの件を……」とボケを開始。「自粛はいや!」などの発言を重ねた上、相方の福田充徳に自身の下半身を見るよううながしたあと、「復帰して●●やろ!」(「●●」は男性器が硬直するさまを表す漢字二文字の語)と際どい発言を繰り出した。これについてファンからは「徳井の変態キャラが健在でよかった」という声も上がったものの、「復帰していきなり下ネタ?」という疑問の声も。
「いろいろやらかしまして。いろんなことがあって。自分で説明すると、トイレで不倫しまして」
7月17日に行われたよしもと祇園花月に出演した際、登場直後に徳井が放ったセリフ。これはいうまでもなく、6月に“トイレ不倫”で活動自粛を発表したお笑いコンビ・アンジャッシュの渡部建をイジったボケである。この発言に会場のお笑いファンは盛り上がったというが、「自分のやったことを棚に上げて他人をイジるな」「渡部は不倫だけど、徳井のは犯罪スレスレだからより悪質」などの批判の声も多かった。
「底のMAXを叩き出しました。3月くらいやったかな、月収1万円」
7月28日にラジオ番組『キョートリアル! コンニチ的チュートリアル』に出演した際の発言。番組中、福田がコロナ禍で芸人の給料が激減した話に触れると、徳井は「まあ、僕はその前から減ってましたからね」と、自身の自粛に絡めて自虐発言をしたあと、上記発言を行った。この給与明細を見た際には、「シビれたね。1万円の明細、写真撮ったもんね。多分24歳ぐらいの給料かなあ」と、20年以上ぶりの給与水準であったことも併せて告白。しかし、「ここでシビれたって言う神経、わからないよね」「もうみそぎが済んだ気になってない?」など、冷ややかな声も。
「コロナ禍でふんわり休んで、ふんわり始まった人とは状況が違う」
8月26日深夜に放送された『東野・岡村の旅猿17』(日本テレビ系)に出演した際に、東野幸治や岡村隆史に向けて放った一言。これが地上波初復帰となった徳井は、「ものすごい暇です」「お仕事ありがとうございます」などと2人に謝意を述べていたものの、コロナ禍でお笑い仕事の休止が続いたことを振られた際にこの発言を行った。続けて徳井は、「一世一代の勝負みたいなところがあったんですよ」と自身の復帰について語ったものの、徳井のこの出演はそこまで注目されず“スルー”……という意外な結果に。これを受け、“徳井不要論”が浮上したと一部メディアで報じられることとなった。
こうして、話題になった数々の発言やそれに対する反応を見る限りでは、いまだ徳井への拒否感は世間の側に強く残っているといえよう。しかしある意味では、復帰直後から全力で“芸人”をやっている――ととらえることもできる。となれば、「その意気やよし」と一定の評価を与えることも可能なのではないか。
果たして、『今夜くらべてみました』に復帰する徳井は何を語るのか、そして視聴者は何を思うのか。今回の放送が、今後の地上波レギュラーへの復帰の試金石になることは確かだろう。
(文=編集部)