また、業務時間以外のビデオチャットでのリモハラでは、上司が取り仕切る強制のリモート飲み会の回数が多かったり、上司がいつまでもログアウトしないので夜中までリモート飲み会に長時間付き合わされたりと、プライベートな時間で起こるケースもあるようです」(木村氏)

 一口にリモハラといっても、リモートによるセクハラ(セクシュアルハラスメント)、リモートによるパワハラ(パワーハラスメント)、リモートによるアルハラ(アルコールハラスメント)と多岐にわたるようだ。

「これは男女限らず起こりえる事例だと思いますが、上司がチャット相手の部下の画面の背景から、異性がいた痕跡などを見つけて、『カレシ(カノジョ)いるの?』といったセクハラ発言をしてくるといったもの。また、女性部下の方が男性上司からメイクや服装に関する事を指摘され、嫌な思いをしたという話はたまに聞きますね。

 リモートによるセクハラの事例は、往々にして一対一のビデオチャットで起きる率が高いようです。他者の目がないのをいいことに、上司側に親密さを履き違えてしまう心理が働くのでしょう。物理的な距離が離れていたとしても、言ってしまえば“密室に二人でいる”ような雰囲気と変わらないわけですからね。そして恐ろしいのは、コロナ禍前、実際にオフィスに出勤していたときは言わなかったような人が、ビデオチャットになるとそのようなハラスメント発言をするようになったという場合があり、一歩間違えると人間不信にもなりかねません」(木村氏)

今はまだ自衛の意識と対策が必要か

 では、例に挙げたようなリモハラトラブルを防ぐには、どういった対策が必要なのだろうか。

「何よりもハラスメント発言をする側の心持ちを正すことが一番大切です。交際している恋人がいようが、メイクをしていなかろうが、仕事内容に変わりはありませんからね。ただ、ハラスメントの意識が薄い上司たちが変わってくれるのを待つだけでは、被害が後を絶たないでしょう。

 ですから、『Zoom』などには背景を隠す機能も付いていますので、そういった機能を活用して、自分のプライベート部分は自分で隠すという意識を強く持っておくべきでしょう。自分が発言するとき以外は、ミュート機能で音声が入らないようにするといった対策も有効だと思います。

 またビデオチャット時の身なりを整えるというのも効果的。わざわざスーツを着る必要まではないと思いますが、カジュアルすぎず清潔感のあるパリッとした身なりにする。あくまで隙を与えないように“これは仕事なんです”という姿勢を崩さず、きちんと線を引ける態度を取っていくことが大事なのではないでしょうか」(木村氏)

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