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秋は抜け毛の季節、1日200本抜ける日も…意外と知らない正しい頭皮ケア&間違った習慣

文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
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「Getty Images」より

 ペットを飼ったことがある人であれば、動物には「換毛期」があることをご存じだろう。実は我々人間にも、抜け毛が多い時期がある。育毛シャンプーの開発も手掛けた経験がある美容研究家で薬剤師の太田のりこ氏に、抜け毛対策と頭皮ケアについて聞いた。

 一般的に人間の髪の毛は約 10 万本あるといわれるが、髪の毛には寿命があり、1日に 80 本から 100 本程度は自然に抜けていく。また、髪の毛には「ヘアサイクル(毛周期)」がある。

「成長期(2~6 年)→退行期(2~3 週間)→休止期(3~4 カ月)を常に繰り返して、古い髪の 毛が抜け、新しい髪の毛が生えてくるのです。なかでも秋に抜け毛が多く、多ければ 1 日に 200 本くらいに抜けることもあるといわれています」

 秋は、夏に浴びた紫外線のダメージが出る頃といえる。また、季節の変わり目で体調を崩しやすく、頭皮のコンディションも悪化する傾向にある。秋こそ頭皮ケアが重要となる。

正しい頭皮ケアとは?

 頭皮も顔の皮膚の一部ととらえ、「頭皮にもスキンケア」をする意識を持つことが大切だという。

「頭皮の汚れや乾燥は、頭皮への負担にもなります。シャンプーも、自分の頭皮のタイプに合うものを選んでほしいですね。シャンプーは非常に重要ですが、髪の毛を洗うのではなく、頭皮を洗うことが本来の目的ですので、入浴時はそれを意識してください。

 一般に市販されているシャンプー(高級アルコール系に分類されるもの)は洗浄力が強く、必要以上に皮脂を洗い流してしまうため、頭皮の乾燥につながります。頭皮ケアの観点では、アミノ酸系や低刺激の洗浄成分を使用したものをお勧めします」

 また、シャンプー後は髪を濡れたまま長時間放置すると、頭皮にも髪にも大きなダメージとなる。

「シャンプー後はなるべく早く乾かしてください。自然乾燥は頭皮から徐々に水分が蒸発して角質層が乱れ乾燥しやくすくなり、フケなどの原因にもなります。また、髪の毛のキューティクルも傷つきやすく、ダメージにもつながります。シャンプー後は十分にタオルドライし、頭皮の乾燥を防ぐため、頭皮用の美容液・保湿液等を塗布すると頭皮の潤いが保たれ髪のコンディションも改善します」

生活習慣の改善こそ抜け毛予防

 質の良い睡眠は健康維持には不可欠であるが、髪にとっても同様である。

「髪にとって大切な時間は、22時から2時です。この時間は成長ホルモンが分泌されるため、発毛・育毛にはとても重要です。しっかり睡眠をとることを心がけてください」

 食生活も頭皮、髪の健康状態を左右する。過度なダイエットや偏った食習慣が原因で、育毛環境に影響して抜け毛につながることがある。栄養は人間の生命を維持する器官へ優先して送られていくため、頭皮や髪へは後回しになってしまう。髪までしっかり栄養が行き渡るようバランスの良い食を生活を心がけてほしい。

「髪の主成分のケラチンはアミノ酸からつくられるので、体の中でアミノ酸になるタンパク質は積極的にとってほしいですね。頭皮の状態を健康に保つためビタミンB2、B6、E、C、亜鉛などのミネラルも大切です」

 ストレスにより円形脱毛を発症するケースもあり、体のコンディションが頭皮や髪に影響することは明らかである。新型コロナ禍にあってストレスを抱えやすい今、適度な運動や趣味などでリフレッシュすることを心がけてほしい。
(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)

吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト

吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト

1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。福島県立医科大学薬理学講座助手、福島県公立岩瀬病院薬剤部、医療法人寿会で病院勤務後、現在は薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

吉澤恵理公式ブログ

Instagram:@medical_journalist_erie

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