反社に流れれば悪用される危険性も

 一方、政治家以外では株式会社角川春樹事務所の代表取締役社長の角川春樹氏の名刺、松竹株式会社専務取締役の肩書きで株式会社チームオクヤマ代表取締役社長の奥山和由氏の名刺、宝塚歌劇団理事長の肩書きで同歌劇団顧問の植田紳爾氏の名刺が各500円で売れていた。

 インターネット上で行われているこうした名刺の売買に問題はないのだろうか。警視庁の捜査関係者は次のように語る。

「コレクターのアイテムとして愛好家間でやり取りするのは問題ありません。

 ただ、そうした名刺が悪用される危険性はあると思います。例えば、菅首相や小泉環境相のように顔が広く知れている著名人であれば、名刺の当人を騙ったり、装ったりするのはむりでしょう。しかし、首相や閣僚の名刺をチラつかせて、あたかも政府関連の事業を行っているかのように見せて出資金や寄付を募る詐欺行為を行う案件もあります。怪しげな事業実態や、反社会的な組織の人間が、首相や閣僚との関係をほのめかす名刺を事務所などに飾り、社会的な信用を偽装する手口もあります。

 顔が知られていなくても警察官の名刺のように、信用価値が高いケースもあります。取材にくる新聞記者などに『もし、やったら生涯出入り禁止だ』と口を酸っぱくして言っていますが、捜査員の名刺をキャバクラの女性従業員に渡して、警察官を騙って口説こうとする不届きな人間もいます。そんな風に流出してしまった名刺は詐欺グループなどに行きつき、最終的には犯罪の小道具になる危険性をはらんでいます。

 名刺はその人間の顔と信用そのものです。配る方も、もらう方もそれなりに配慮していただきたいと思います」

 名刺はアイドルやアニメのファングッズとは違う。しっかり管理したほうがよさそうだ。

(文=編集部)

 

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