また、アメリカ国内でのテスラの評価について語るには、最高経営責任者であるイーロン・マスクのカリスマ性は避けては通れないという。

「イーロン・マスクが支持されている最大の理由は、自分が発言した目標を次々に叶えていく、有言実行の人だということです。彼は既存の自動車メーカーがやらなかったことを言っては実現する、ということを何度も繰り返しているので、未来的な人、将来を見据えた人を意味する“ビジョナリー”という言葉で表現されることも多いですね。

 テスラが行った先進的な取り組みのひとつが、現在のアメリカでは常識と化している車のオンライン販売です。ディーラーに足を運んで商談をする必要なく、インターネットを使って5分で車が購入できる販売スタイルは、面倒な手続きを嫌うアメリカ人の気質とも合致していて、高い評価を受けました。

 そのため、今年の7月に時価総額で自動車メーカー1位となったのも一朝一夕のことではなく、イーロン・マスクの経営手腕や革新的な試みの数々など、これまでの実績の積み重ねによるものではないかと考えられます。ただ、イーロン・マスクは発言によって株価が乱高下する人でもあるので、トップでいられるのは今だけなのか、持続的にトップに立ち続けられるのかはまだわからないのが正直なところです」(小池氏)

テスラへの評価で見える日本と世界の車に対する考え方

 では、品質についてはどのような見方がされているのだろうか。小池氏に話を聞くと、日本とアメリカでの車に対する根本的な考え方の違いが見えてきた。

「私の身近なところでも、ワイヤーハーネスが接続されていなかったため、ヘッドライトが点かなかったテスラ車の話を聞いたことがあります。ただ、テスラがことさらに状態不良が多いというわけではなく、シンプルな構造でつくりが甘いという傾向がアメ車自体にあるため、そういったミスはよく起こることだという印象がありますね。

 アメリカでは機械は壊れるものだという考え方が根づいているので、初期不良などがあってもディーラーに持ち込んで直してもらったり、あるいは自分で直したりすればいいという発想になりやすいです。そのため、初期不良が多いから信頼できないメーカーだと取り沙汰されることは、アメリカではあまりありません。しかし、精密で壊れにくい日本車と比べるとどうしてもつくりの粗さが目立つため、日本のメディアだとその点がクローズアップされやすいというのはあるかもしれませんね」(小池氏)

RANKING
  • 企業・業界
  • ビジネス
  • 総合