
芸能事務所からタレントが退所する動きが止まらない――。
先月、少年隊の錦織一清と植草克秀が年内いっぱいをもって退所すると、所属するジャニーズ事務所は発表。ジャニーズといえば昨年以降、錦戸亮(元関ジャニ∞)、中居正広、手越祐也(元NEWS)、長瀬智也(TOKIO)など所属タレントの退所発表が相次いでいる。
また、大手芸能事務所のオスカープロモーションでも同じく、2018年以降、事務所の看板女優だった米倉涼子をはじめ、原幹恵、草刈民代、長谷川潤、岸明日香、忽那汐里、岡田結実、ヨンア、堀田茜、森泉らが次々と退所。退職する社員が続出している実態も明らかになり、メディアでは“大量流出”などと書き立てられている。
そんななか、“第2のオスカー化”が懸念されているのが、スペースクラフトだという。今年に入り、子役時代から30年間所属した女優の栗山千明、37年間所属した有森也実、タレントの神田うの、俳優の赤澤遼太郎などが相次いで退所している。
たとえば栗山の退社の背景について、「文春オンライン」は3月、栗山へのギャラの支払いが遅延したり分割払いになることがあったと報じている。いったい事務所内部で何か起きていたのか――。
「アニソン界で絶大な人気を誇っていた女性3人組ボーカルユニット・Kalafinaのプロデューサー、梶浦由記氏が18年にスペースクラフトとの契約を解消し、メンバーのKeikoとHikaruも退所し、ユニットは事実上の活動休止状態に。翌19年に解散となりましたが、梶浦氏が事務所を去り“ドル箱”を失った頃から、大西一興社長の態度が一変。社員にきつく当たったり、周囲の助言にも耳を傾けなくなったことで、所属タレントや社員たちの間にも動揺が広がり、タレントの退所が相次ぐ事態につながっていると漏れ伝わってきます」
神田うの、守った仁義
そんななか、今年6月いっぱいで退所した神田うのは10月16日付「ENCOUNT」のインタビュー記事で、「所属していた事務所の社長は私にとっては芸能界の父。本当に優しい人。私は自由をもらってきたと感じています。(略)私は他の事務所では通用しなかったと思います」と、スペースクラフトへの感謝の言葉を語っている。
「うのさんの場合は、アパレルビジネスのほうで実業家としても成功しているので、もっと早い段階で独立することもできたのでしょうが、やはり14歳の時からお世話になった大西社長には多大な恩義を感じていて、事務所は辞めずにきたようです。しかし、そんな経営の才覚があるうのさんの助言にも大西社長は耳を傾けなくなってしまったことも、うのさんが事務所を去る決断をした背景にはあるようです。オスカー同様、このままだとタレントや社員が事務所を去る動きは止まらないという見方が業界内では強いです」(芸能事務所関係者)
タレントが大手芸能事務所を離れると活動が大きく制限されてしまうといわれる時代が長かったが、そんな古い慣習も崩れつつあるのかもしれない。
(文=編集部)