デヴィ夫人、「不妊の原因は堕胎」発言が物議…「不妊治療患者への偏見を生む」と懸念の声の画像1
「デヴィ夫人のオフィシャルブログ」より

 バラエティ番組『昼間っから激論バラエティ 胸いっぱいサミット!』(関西テレビ)のなかでデヴィ夫人の発した言葉が波紋を呼んでいる。

 番組中、不妊治療の保険適用拡大について話題が展開されると、デヴィ夫人は「不妊になる一番の原因は堕胎にある」とコメント。これに対してほかの出演者が、ほかにも不妊原因はあるのではないかと異を唱えると、「それは嘘です。前に付き合っていた男の人とそういうことがあって、『堕胎しました』ということを言えないじゃないですか。女性は隠してますよ。全員が」と、強く否定。堕胎を禁じるべきだとの持論を展開した。

 その後も、「本当に不妊の方いるかもしれない。でもほとんどの原因、9割9分は堕胎です。全員堕胎です」と強調。しばらく番組が進んだあと、どこかから指摘があったのか、デヴィ夫人は「数字に誤りがあったようなので、こちらで謝らせていただきます。失礼いたしました」と謝罪をしつつも、堕胎が不妊の一番の原因との見解は「事実です」と胸を張った。

 この発言を聞いた視聴者からは、「不妊治療で苦しんでいる女性に失礼」「不妊の女性=堕胎を経験した女性、という間違った情報を公共の場で発言しないでほしい」「著名人が発言することで少なからずそう思ってしまう人がいると思う」「不妊治療患者への偏見を生みかねない」など、批判の声が続出。ほかにも、「私も不妊症ですが、一度も妊娠したことないです。堕胎したことないです。酷いです」など、不妊に悩む女性から失望の声が多く出ている。

 では、実際のところはどうなのか。都内の産婦人科医に話を聞いた。

「不妊は、女性側に原因がある場合と男性側に原因がある場合に分けられます。そのなかで、女性不妊の場合が今回の話題の中心だと思います。確かに、堕胎が原因で妊娠しにくくなることもありますが、堕胎だけが原因という考え方は誤っています。しかも、今は医療も発達しているので、3回、4回と堕胎しても妊娠する方もいます。

 不妊になる原因は排卵因子(排卵障害)、卵管因子(閉塞、狭窄、癒着)、子宮因子(子宮筋腫や子宮内膜ポリープなど)、頸管因子(子宮頸管炎、子宮頸管からの粘液分泌異常など)、免疫因子(抗精子抗体など)等、数多くあります。ほかにも、まったく原因が究明できない不妊もあるので、一律に堕胎が原因とする説は乱暴すぎますね。

 また、男性側、女性側にもまったく問題がなく、妊娠可能性がもっとも高い日に性交渉を持ったとしても、妊娠する確率は20~30%ほどという研究もあるように、多くの条件が整って初めて妊娠するということを知っていただきたいと思います。

 さらに、年齢によっても妊娠しやすさは変わりますし、体質によって妊娠しにくい方もいます。最近は、過度のダイエットや仕事で強いストレスを受けてホルモンバランスが崩れ、妊娠しにくくなる方も増えています」

 デヴィ夫人は、父親を亡くしたことで高校を中退して銀座の高級クラブで働いたり、夫のスカルノ・インドネシア大統領を亡くしたあとにヨーロッパの社交界で多くの要人たちと熱愛が報じられるなど、男女の恋愛や駆け引きは多く見てきている。そのなかで、肌感覚として堕胎が不妊を引き起こすと確信するようになったのかもしれない。

 デヴィ夫人の発言の真意がどこにあるのかは不明だが、不妊に悩む方や現在不妊治療に向き合っている方に対して、配慮を欠く発言だったのは間違いない。

(文=編集部)