韓国・李明博元大統領、懲役17年が確定…相変わらず続く韓国大統領の「黒い歴史」の画像1
李明博被告

 韓国大法院(最高裁)は29日、元大統領の李明博被告に対し、懲役17年、罰金130億ウォン(約12億円)、追徴金57億8000万ウォン(約5億円)などとした二審判決を支持し、被告と検察の双方の上告を棄却した。

 李被告は、在職中にサムスン電子などから巨額の賄賂を受け取ったとして、特定犯罪加重処罰法上の収賄罪などに問われていた。78歳と高齢ということもあり、現在は保釈されているが、実刑が確定したことで11月2日に再収監される。

「李被告は自動車部品メーカー、ダスの資金252億ウォン(約23億円)を横領した疑いを持たれていました。また、ダスが米国で起こした訴訟費用をサムスンに肩代わりさせるなど94億ウォン(約9億円)の賄賂を受け取った疑いもありました。それらがいずれも事実であると認定され、刑が確定しました。李被告は終始無罪を主張していましたが認められず、『法治が崩壊した』とコメントしています」(韓国紙記者)

 李被告は2008~13年に大統領を務めた。

「当初は経済を活性化すべく、日本、中国、米国との協力関係強化に意欲を見せていましたた。しかし、リーマンショックを経て未曾有の通貨危機に陥り、さらに12年に実兄が逮捕されて国内の求心力が低下すると、国民の目をそらすためか、反日政策に転換。現職大統領として初めて島根県の竹島に上陸し、今日に至る日韓関係悪化の原因をつくりました」(同)

 実刑判決を受けた韓国の元大統領は朴槿恵前大統領に続いて5人目だが、韓国では歴代大統領が在任後期から退任後に悲惨な人生を送ることが避けられない状況となっている。参考までに歴代大統領の退任前後を見てみると、下の通り。

・初代~第3代、李承晩…4選を決めたあと、不正選挙があったとして国民が蜂起し、米ハワイへ亡命。養子で長男の李康石は一家心中した。

・第4代、尹ボ善…大統領辞任後に野党の総裁となったが、政府から「憲法秩序を破壊しようとした」として立件され、実刑判決を受けた。

・第5~9代、朴正煕…朴槿恵大統領の父である同氏は、親日政策に不満を持つ側近に暗殺された。妻も射殺されている。

・第10代、崔圭夏…軍事クーデターにより職を追われ辞任。

・第11~12代、全斗煥…言論弾圧、不正蓄財、粛軍クーデター・光州事件等の追及を受けて退任し、死刑判決を受けた。その後、無期懲役に減刑され、特赦によって解放されている。

・第13代、盧泰愚…数百億円も不正に蓄財していたことが発覚し、粛軍クーデター・光州事件の追及により退任、軍刑法違反で懲役刑を受けた。のちに特赦により解放されている。

・第14代、金泳三…次男が利権介入による斡旋収賄と脱税で逮捕。自身は、通貨危機によって国際通貨基金(IMF)に援助を要請したことが国民に恥辱を与えたとして不興を買い、空港でペンキを顔にかけられる事件があった。国内での評価は今でも悪い。

・第15代、金大中…3人の息子全員が、それぞれ数十億円の賄賂を受け取っていたことが発覚して逮捕されている。

・第16代、盧武鉉…税務職員だった兄が収賄で逮捕され、自身も在任中の収賄疑惑により退任後に捜査を受け、その後自殺。逮捕が迫っていたことを苦にした自殺ともいわれている。

・第17代、李明博…実兄が収賄で懲役刑になったほか、親族では甥、姪の夫、妻の姉の夫、妻の姉の夫の弟などが賄賂などを受けて有罪判決を受けた。ほかにも、数十人規模の側近が収賄の疑いで捜査を受け、その多くが逮捕された。大統領府政務首席、大統領府広報首席、「李明博大統領ファンクラブ」会長も収賄で懲役刑を受けている。そして今回、本人が懲役17年の実刑判決。

・第18代、朴槿恵…韓国史上初の女性大統領に就任したが、セウォル号沈没事故への対応不備や崔順実ゲート事件など一連の不祥事により、史上初めて大統領弾劾が成立して罷免された。崔順実ゲート事件について今年7月、懲役20年・罰金180億ウォン・追徴金35億ウォンが言い渡されている。さらに、ほかの罪についても裁判を受けている。

 第19代の文在寅大統領も、側近に汚職や職権乱用などの疑惑が次々に湧き上がっている。任期は残り1年半余り。退任したあと、歴代大統領のように逮捕されたり不幸が起きる「黒い歴史」から、逃れることはできるのだろうか。

(文=編集部)