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話題のタフトのルーツ車か?
ネイキッド(ダイハツ、1999年〜2004年)
まずは、ダイハツ・ネイキッド。ネイキッドは1998年の軽自動車の規格変更直後の1999年から2004年まで販売された軽自動車だ。この6月から同じダイハツよりタフトが発売され話題を呼んでいるが、個人的に筆者は、そのルーツはネイキッドではないかと考えている。
ネイキッドの特徴は、フロントバンパーやグリルが外側からボルト留めされる形状となっており、ユーザーの好みに合わせて自由にコーディネートできたこと。これは、現行型コペンが採用しているドレスフォーメーションのルーツともいえる。また、豊富に用意されたオプションによってさまざまなカスタマイズも可能で、造り上げる楽しさにあふれていた。が、このコンセプトは残念ながら当時はあまり受け入れられず、ネイキッドは1代限りで生産終了となってしまった。
しかし、無印良品のようなシンプルさとSUVライクな車両デザインを愛するユーザーも多く、上記のカスタマイズパーツなどもヤフオク!では盛んに取り引きされている。車両本体もヤフオクには10月20日現在38台出品されており、価格のほうも8万~34万円と比較的リーズナブル。もちろんその大半が10万キロ超の走行距離となっているが、現代車のような電子パーツだらけの時代のクルマではないので、丁寧にメンテナンスすればまだまだ乗り続けられるのではないだろうか。

走りの良さを追求したローフォルム
ソニカ(ダイハツ、2006〜2009年)
続いてもダイハツからピックアップしたソニカだ。ソニカは、2006年から2009年のわずか3年間しか販売されなかった悲運のモデル。スズキ・ワゴンRやダイハツ・ムーヴといった背の高いハイトワゴンが軽自動車の主流となっていた時代に、走りの良さを追求したローフォルムのモデルだった。
全グレードにパワフルなターボエンジンを搭載し、軽自動車としては珍しく前後に走行安定性を向上させるスタビライザーを装着(4WD車はフロントのみ)し、走りの質にこだわったモデルだった。さらにドアやミラーの形状を工夫することで、風切り音などのノイズの大幅低下に成功。またシート形状にもこだわり、身体のホールド性も高かった。
このように質感にこだわったソニカだったが、軽自動車ユーザーのほとんどは室内の広さを重要視していたので、販売が振るわず1代限りで生産終了となってしまった。2000年に販売終了していたアルトワークスがもし現役で存在したならば、ソニカももう少し延命できたのではないかと思われるが……。
10月22日現在、ソニカはヤフオク!に20台出品されていて、価格は1万円~54万円となっている。ターボ付きの軽がヒトケタ万円で購入できるのであれば、日常の足としてはいうことなしではなかろうか。

超コンパクトボディのシティコミューター
ツイン(スズキ、2003〜2005年)
ここまではダイハツから2車種を紹介したが、軽自動車市場でダイハツのライバルであるスズキからは、ツインを紹介したい。「そんな名前のクルマ聞いたことない!」という方も多かろう、なにせ2003年から2005年のわずか2年間しか販売されなかったモデルなのだ。
ツインという名の示す通り、2人乗りで全長は2735mmという超コンパクトボディのシティコミューター。しかしツインの名車たるゆえんは、そのコンパクトサイズのボディのみにはあらず。ガソリン車だけでなく、なんとこの時代にハイブリッド車まで用意されていたスズキの力作なのである。現在であれば高齢者などのコミューターとして大活躍しそうだが、やはり2003年というのは登場するのが早すぎた。しかもハイブリッド車は129万円と、当時の軽自動車の感覚でいえば高額だったことも普及しなかった要因だろうだろう。
そんなツインも10月20日現在、ヤフオク!には23台も出展されており、7万円~55万円となっている。しかしすべてガソリン車で、ハイブリッド車はない……。安全装備などは現在のクルマと比較すればどうしても見劣りするが、このコンパクトさは確かに魅力。買い物の足として割り切るならば、大いに買いだ。
