
10月26日(月)~30日(金)のNHKの連続テレビ小説『エール』では、戦争から立ち直ってきた古山裕一が、福島に戻っていたはずの佐藤久志と思わぬ形で再会。甲子園のテーマ曲「栄冠は君に輝く」を歌わせようと奮闘した。
「栄冠は君に輝く」で久志を再起させた裕一
関内吟(松井玲奈)の夫の智彦(奥野瑛太)が貿易会社で働き始めて1カ月後。智彦は久しぶりにケン(浅川大治)に会いに行くと、熱を出して路上で寝転んでいた。放っておけずに病院へ連れて行き、吟には「友達だ」と紹介。翌日、吟はケンを自宅に連れ帰った。
智彦の様子がおかしいと思った吟は、晩酌に付き合いながら、その理由を聞いてみた。すると「自分を貿易会社に引き抜いた理由に、なぜか腹が立った」という。吟は「智彦の誇りは軍人ではなく、人のために心を燃やせること」だと語り、その生き方ができる方を選んでほしいと伝える。
翌日、智彦は貿易会社を辞めてラーメン屋へ出戻った。修業を再開して屋台を引き継ぐことになると、ケンに住み込みでラーメン屋を手伝うことを提案。ケンは智彦と吟の家に住むことになった。
一方、古山裕一(窪田正孝)のもとには、ビルマで一緒だった朝一新聞の記者である大倉憲三(片桐仁)が訪れ、大倉は裕一に全国高等学校野球選手権のテーマ曲の作曲を依頼する。古山音(二階堂ふみ)は、ベルトーマス羽生(広岡由里子)の勧めでオペラ「ラ・ボエーム」のオーディションを受けることに。
それぞれが自分の道を歩き始めたように思えたが、佐藤久志(山崎育三郎)だけが立ち止まったままだった。
ある日、裕一と村野鉄男(中村蒼)がコロンブスレコードにいると、藤丸(井上希美)が顔を出し、2人を久志のもとに連れて行った。そこには、人が変わったように落ちぶれてしまった久志の姿があり、2人は驚くだけだった。
藤丸から、農地改革で土地を失い、父も亡くなると、ついには歌をやめてしまい、今は酒とバクチに明け暮れていると聞き、裕一は何度も久志のもとを訪れた。しかし、なかなか話ができずにいた。
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朝一新聞社の大阪本社を訪れた裕一は、歌詞の選考会に出席。裕一がプッシュした「栄冠は君に輝く」に決定した。作曲のために甲子園に行ってマウンドに立つと、歌詞に合った曲調が思いつき、その場で一気に完成した。
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ある日の早朝、久志がいなくなったと、藤丸が古山家を訪れた。藤丸は酒で体を壊した久志を看病していて、少し目を離した隙にいなくなったと嘆く。裕一は鉄男と手分けして久志を探すが、なかなか見つからない。そして、「もうすぐ父の一周忌だと言っていた」という藤丸の言葉を信じて、福島へ向かった。
なんとか見つけ出すと、久志は自分が戦時歌謡を歌っていたことで父が後ろ指を差されるようになり、生き方がわからなくなったと吐露。久志が生きる気力をなくした理由を知った裕一は、池田二郎(北村有起哉)に説得を頼んだ。
池田は裕一のために久志を訪ね、そこで見た暮らしぶりから「夜更けの街」という歌詞を書き上げて裕一に渡した。裕一は、それを持って久志に歌わないかと誘った。