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さんきゅう倉田「税務調査の与太話」

ゲームAI開発会社、ゲーム購入代は経費になるのか…税務調査官と社長の攻防の結果は?

文=さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人
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 帳簿を見ると、どうやら、この会社は家庭用ゲーム機の購入が多いようです。ゲームについて確認すると、「小学生の子供にプレイさせて最近のゲーム事情を聞いてるんですよ、AIを開発するには、そういうことが必要なんです」などと言うのです。ぼくと統括官は会話こそしませんでしたが、同じことを考えていました。「このやろう、馬鹿みたいな嘘つきやがって、そんな嘘すぐばれるんだからな、なめやがって」と。

 ぼくは、子供をここに呼んでほしい旨を伝えます。しかし、「寝てるから、また今度でいいですかね」などと言うのです。「ばかやろう、まだ15時だぞ、寝てるからってはいそうですかと引き下がると思ってるのか、このやろう」と、決して口には出さず心の中で唱えながら、丁寧に頼んで呼んでもらいました。

 15分ほど待つと、社長に手を引かれて、目をこすりながら子供が部屋に入ってきました。2階の子供部屋から呼ぶだけなのに、どう考えても遅い。口裏を合わせていることは明確です。しかし、どんなにシミュレーションをしようとも所詮は小学生。5分も質問すれば、矛盾だらけの答えになります。

 結果、ゲームはただ遊んでいただけということで、経費算入を否認し、社長への認定賞与として処理しました。社長は納得がいかない様子でしたが、税理士に宥められ、修正申告に応じてくれました。もちろん、修正申告に伴い追徴課税、加算税、延滞税が課されることになりました。
(文=さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人)

●さんきゅう倉田
大学卒業後、国税専門官試験を受けて合格し国税庁職員として東京国税局に入庁。法人税の調査などを行った。退職後、NSC東京校に入学し、現在お笑い芸人として活躍中。2017年12月14日、処女作『元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話』(総合法令出版)が発売された。

「ぼくの国税局時代の知識と経験、芸人になってからの自己研鑽をこの1冊に詰めました。会社員が社会をサバイバルするために必須の知識のみを厳選。たのしく学べます」

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