また、「5G対応」というのも、多くの日本人にとって魅力的とはならない。日本は、世界でも屈指のiPhone大国として有名。iPhoneといえば、5Gに対応する新型iPhone 12シリーズが発表されたばかりだが、アップルの取り扱いキャリアに楽天モバイルは名を連ねていなかった。ちなみに、ドコモやau、ソフトバンクは名を連ねている。

 そもそも、楽天が前面に押し出す5G自体に、現段階では大きな価値はない。その理由は、以前の記事でも触れたが、エリアが極めて限定的であり、電波もつながりづらい。そして、キラーコンテンツもなく、一般ユーザーの利用シーンにおいて5Gのメリットはほとんどない。

大手キャリアも一斉に値下げの動き

 と、ここまで楽天モバイルの弱点を挙げてきたが、「安さ」は強力な武器である。しかし、楽天モバイルにとって予想外と思われる事態が起きた。菅義偉首相の肝いりである「携帯料金の値下げ」が大きく動き出したのだ。

 菅首相が官房長官時代にも「高すぎる携帯料金問題」は議論の的になったが、当時のキャリアはなんちゃって値下げを行った。ようは、ごくごく一部のユーザーのみ安くなるというポーズに出たのだが、今回はそれでは許されない。早速、ソフトバンクがドコモよりも3割安いプランを準備しているのではないかという記事も出た。

 つまり、ネットワーククオリティなどが勝る大手キャリアが携帯料金の値下げを行ってくると、楽天モバイルの切り札が切れなくなる。

 ところで、楽天モバイルには「グループとしての強みがあるのではないか?」という意見がある。楽天カードや楽天市場、楽天トラベルに楽天銀行……とグループ内に人気のサービスがたくさんあるのは事実だ。これらを連携し「楽天モバイルユーザーは楽天市場でのお買い物で、楽天ポイントが○○倍!」「楽天モバイルの支払いを楽天カードで行うと○○%キャッシュバック!」などのキャンペーンはいくらでも打てるだろう。しかし、それでも他社を圧倒できるかといわれれば厳しいのではないか。

 なぜなら、他のキャリアも同じような戦略を取っているからだ。例えば、ドコモユーザーは、dカードやdポイントと絡めればお得になる。ソフトバンクは、ユーザー向けにPayPayやヤフーショッピング、ヤフートラベルなどお得なキャンペーンも行っている。

 そして、ソフトバンクにはY!モバイルが、auにはUQモバイルという“サブブランド”が存在している。これらのサブブランドはMVNOであり、それこそ安さが売り。当然、グループ内での連携も行える。

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