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松本潤は「K-POPのルーツはジャニーズ」と言っていない…韓国メディアの誤解で炎上

文=編集部
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嵐(「Wikipedia」より)

 今年の年末をもって活動休止に入る人気アイドルグループ・松本潤の発言が注目を集めている。松本は米国のエンターテイメント専門メディア「VARIETY」のインタビュー取材に応じたのだが、一部日本国内メディアと韓国メディアがその発言内容が「物議を醸している」と報じたのだ。

 時事通信は5日、韓国「中央日報」の記事『松本潤「K-POPのルーツはジャニーズ」発言が韓国で大炎上』を全国配信し、日本国内のファンに動揺が走った。一方、インターネット上では「ソースのVARIETYのインタビュー原文と一連の報道の内容に違和感がある」との指摘も多い。当サイトで一連の報道を検証してみた。

 中央日報の記事には次のように書かれている。

「松本潤は2日(現地時間)公開された米バラエティー番組とのインタビューで『K-POPがうらやましくないか』という質問に『私は人々が考える嫉妬や警戒を全く感じない』として『むしろジャニー喜多川さんが数十年前に作ったモノが国境を越え始めたことに自負心を感じる』とした。

 また『ジャニーさんは過去60年間、数多くのボーイズグループを作り、日本の芸能産業だけでなく、アジアのポップカルチャー全般で偉大な業績を残した。現在ある日本人以外のグループも、ジャニーさんが1960年代に作った基礎をルーツを置いている』と主張した」

 そして一連の松本の発言に対し、韓国日刊紙「国民日報」が「K-POPブームのルーツが日本文化だと主張する日本アイドルグループメンバーの発言が伝えられて韓国インターネットユーザーから怒りを買っている」と報道したことや、同「韓国経済新聞」が「日本アイドル歌手が韓国アイドルグループと歌手に言及してK-POPのルーツがJ-POPというニュアンスの発言をすることに対して公憤を覚える人も少なくない」との記事を掲載したことを伝えた。

VARIETYでの松本の発言を検証

 では、問題となっている「VARIETY」のインタビューとはどんなものだったのだろうか。まず、松本は昨年7月に亡くなった元ジャニーズ元社長、ジャニー喜多川氏についての思いを聞かれていた。故人への思いを語る中で、各メディアが取り上げている発言部分が出てくる。以下、同公式ウェブサイト上のインタビューの該当部分を引用する。(以下、日本語訳はクリムゾンインタラクティブ ジャパン)

 When asked what he thought Kitagawa’s legacy really should be, Jun spoke only of the hit-making system the manager had brought to Asia.

(訳:ジャニー喜多川氏のレガシーとは実際何であると思うかと尋ねられると、松本潤氏は同氏がアジアにもたらしたヒットを作る仕組みについてのみ語りました)

 “Johnny created so many boy bands in his 60 years of working and left an indelible mark not just on the entertainment industry of Japan, by bringing it up to a global standard, but also on Asian pop culture overall, even outside of Japan, [visible in] the rise of the Asian pop generation,” he says. “What you’re currently seeing now with non-Japanese groups as well all really found its roots in the foundational work that Johnny did back in the 1960s.

(訳:「ジャニーさんは60年間の仕事の中で非常に多くのボーイズグループを生み出し、それを世界標準に引き上げることによって、日本のエンターテインメント業界だけでなく、アジアのポップ世代の台頭に見られるように、日本国外でもアジアのポップカルチャー全体に偉大な業績を残しました」と彼は話します。「現在ある日本人以外のグループも、1960年代にジャニーさんが作った基礎にルーツを置いています」)

 Even though K-pop is exploding globally, Jun says he harbors no hard feelings.

(訳:K-POPは世界的に急上昇していますが、松本潤は、悪い感情を抱くことはないと言います)

 “I feel no sense of the kind of tribalism that some people might imagine, but rather a sense of pride that the architecture that Johnny laid the foundations for decades ago is now finally starting to cross borders. Even if it’s not being done by Johnny, per se, the legacy still continues and is alive and well. You can see the flowers taking root in other cultures and countries,” he says. Laughing, he admitted, “I’ve definitely heard ‘Dynamite’ quite a few times,” referring to the K-pop group BTS’ first entirely English-language single that made them the first Korean group to hit No. 1 on the Billboard Hot 100 chart. While “Whenever You Call,” the group’s collaboration with Bruno Mars, did not reach those chart peaks, it’s received a warm reception from international fans who appreciate their idols’ new accessibility on YouTube and social channels.

(訳:「一部の人が想像しているような、同族意識のような感覚はありません。むしろジャニーさんが数十年前に基礎を築いた構造が、今ようやく国境を越え始めていることに誇りを感じます。 ジャニーさん自身によって成されたのではないにしても、その遺産は今も存続していて、健在です。 花々が他の文化や国に根付いているのを見て取ることができます」と彼は言います。韓国グループとしてBillboard Hot 100チャートで初の1位に輝いたK-POPグループBTS(防弾少年団)の完全英語版シングルに言及すると、「 たしかに『Dynamite』は何度も耳にすることがありました」と彼は笑いながら認めました。同グループのブルーノ・マーズとのコラボ作『Whenever You Call』ではチャートトップには達しなかったものの、YouTubeや他のソーシャルメディアで新たにアクセスできるようになったことを喜ぶ国外のファンからは温かい歓迎を受けました)

 各メディアの報道では、まず「K-POPがうらやましくないか」との質問に対し松本が明確に否定し、ジャニー氏の功績を挙げて反論しているように読める。だが、実際の文脈を見る限り、松本はあくまでもジャニー氏への思い出や業績を語ることに重きを置いている。BTSやK-POPの話題はあくまでも副次的な話題に過ぎないように見える。

 また松本は、ジャニー氏が国民日報や韓国経済新聞が主張するような「K-POPのルーツがJ-POP(ジャニーズ)」だと発言しているわけではない。「ジャニー氏個人の功績」として、「アジアのポップ世代の台頭に見られるように、日本国外でもアジアのポップカルチャー全体に偉大な業績を残した」「現在ある日本人以外のグループも、1960年代にジャニーさんが作った基礎にルーツを置いています」と語っているのだ。

 この発言の段階で、松本は韓国のことは特段言及していないし、あくまでもジャニー氏の一連の事業が「中国、インドネシア、シンガポールなどアジア全域のポップミュージック業界の振興に寄与した」ということを指摘しているだけのように見える。

韓国記者「日本メディアと同じように『角度』をつけた」

 一連の報道と原文のニュアンスの違いについて、韓国の大手テレビ局記者は次のように語る。

「そもそも、なぜ『VARIETY』のインタビュー記事がここまで大きく取り上げられたのかも、少し不思議です。

 アジアのポップカルチャーはJ-POPとK-POPだけではありません……。中国本土や台湾や香港のアーティストもここ数十年で発展を続けています。しかし、BTSのファンをはじめ、『アジアのポップカルチャー=K-POP』という風に解釈しているインターネットユーザーは多いです。

 それに合わせて、国民日報や韓国経済新聞が紙幅に合わせて内容を丸めて、そのように報じたのだと思います。一方、中央日報の記事は国民日報などに比べて、おおむねソースの通りに報じていますし、質問の回答が前後する程度は日本メディアもよくやる『ニュースに角度をつける』範囲内だと思います」

 賛否はあれ、ジャニー氏が指揮したコンテンツがアジア全域に多くのファン獲得してきたことは歴史的な事実だ。BTSのように、音楽コンテンツは国境を超えて愛される。当然、作り手の国籍など関係ないはずだ。そもそも一部のメディアが「日本ルーツ」「韓国ルーツ」などと「お国自慢」を盛り込もうとするのは、野暮なことではないだろうか。

(文=編集部、翻訳協力=クリムゾンインタラクティブ ジャパン)  

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