
こんにちは! 不動産鑑定士、不動産投資コンサルタントの浅井佐知子です。
今回は初心者が陥りやすい不動産投資の失敗について説明したいと思います。初心者が特に失敗しやすいパターンは大きく分けて3つあります。このポイントさえ押さえておけば、最悪の失敗パターンにはまる可能性はかなり低くなります。
初心者が陥る罠1:業者の「無料セミナー」に参加して、その場で契約
さあ、不動産投資の勉強をしよう! と思ったら、あなたはまず何から始めますか? アマゾンや書店で不動産投資の本を探したり、ネットで「不動産投資セミナー」を検索したりするのではないでしょうか。ただし無料の不動産投資セミナーに参加するのは少し気を付けましょう。参加すること自体は悪くないし、無料でも良質なセミナーというのもたまにあります。
もっというなら、不動産業者が開催する無料セミナーは気を付けたほうがいいということです。不動産業者が開催するセミナーはたいていの場合、セミナーの後、個人面談が用意されています。その場で物件を紹介されるのですが、なんといってもまだ知識がほぼゼロ、これから勉強しようという時にプロの営業マンから営業トークを受けたら、どのくらいの人が断れるでしょうか?
ローンがセットになっていて、自己資金はほぼゼロに近く、ほとんどただで物件をゲットできるのです! こんなにも魅力的に思える提案を断ることができますか? 知識がない段階で、この営業トークを受けるとまず10中8、9罠にはまってしまいます。
無料セミナーは、融資が比較的つきやすい区分マンションが多いのですが、紹介される物件は、30年~35年間のローンを組み、その間、毎月のキャッシュフローはよくてゼロ、ほとんどの場合はマイナスになります。しかもキャッシュフローがマイナスになっても、節税効果はほぼありません。キャッシュフローはマイナスなのに課税所得はプラスになるという恐ろしい事態が生じます。
ここでは詳しく説明しませんが、キャッシュフローがマイナスになっても、土地の金利の一部が経費にできないケースが発生するからです。こういう物件は、いわゆる「年金目的」で買ってはいけない物件なのです。それなのに、こういう物件を買ってしまう人のほとんどは、40代、50代のサラリーマンです。ローンを払い終わったら、何歳になっていますか? 定年後はどうやってローンを返し続けるのですか? 空室時のローン返済や、リフォーム費用などは払えますか? こういうことを精査する必要があります。