次にLIXILグループ傘下のホームセンター、LIXILビバの買収に動いたが、すぐに白紙に戻った。LIXILビバは「(ニトリは)大きすぎて飲み込まれる」と難色を示したと伝わる。LIXILビバは今年6月、新潟県地盤の同業アークランドサカモトのTOB提案を受け入れた。買収総額1000億円の「小が大を飲み込む」買収劇となった。

 ニトリは17年ごろ島忠に提携協議を持ちかけたことも明らかになっている。低価格の家具に強みを持ち、日用品を幅広く扱うニトリにとって、ホームセンターと高級家具を融合した島忠は「うらやましいと思い、尊敬していた」(似鳥会長)相手だ。同会長は「ニトリと商品開発のノウハウなどを共有すれば、『お値段以上の島忠』を実現できる」と、買収に並々ならぬ意欲をみせている。

 DCM、ニトリの双方から熱烈なラブコールを送られた島忠の経営陣は、厳しい対応を迫られることになる。ニトリのTOBに反対推奨すれば、旧村上ファンドから「なぜ、より高値を提示したニトリ案に反対するのか」と批判される。ニトリに軍配を上げれば「DCMのTOBに賛同した経営陣の判断が早計過ぎたのではないか」と経営責任を問われることになりかねない。「どちらにつけばいいのか、わからない」(島忠の関係者)、立ち往生の状態なのだ。

“後出しジャンケン”のニトリは、首尾よく「お値段以上の島忠」を手に入れることができるのだろうか。まだ、一波乱も二波乱もありそうな気配だ。

(文=編集部)

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