「Getty Images」より
「Getty Images」より

“韓国のメッシ”の異名を取るサッカー韓国元代表の李昇祐(イ・スンウ)が騒動を引き起こし、大きな話題になっている。

 現地時間8日に行われたベルギー1部シントトロイデン対ヘンク戦で、シントトロイデンに所属するイ・スンウは、後半36分からピッチに入った。1対2で負けていることもあって、シントトロイデン側の選手はややフラストレーションがたまった状態で試合が進んでいた。実際、ヘンク所属の日本代表・伊東純也がドリブルを仕掛けている際に、追いかけていた2人の相手選手に相次いで突き飛ばされ、1人が退場になるシーンもあった。

 そんな殺伐とした空気のなか試合終了が近づき、ヘンクのクリスチャン・トルストベットがゆっくりボールを保持しながらコーナーのほうへ進み時間稼ぎを試みた。そこへイ・スンウがボールを奪おうと近づくが、ボールを奪えないまま試合終了のホイッスルが鳴った。すると、イ・スンウは後ろからトルストベットを突き飛ばし、抗議しようと振り返ったトルストベットの胸に頭突きするように額を押しつけ続けた。その後、両チームが入り乱れ、乱闘寸前になった。

 試合終了後ということもあり、誰も処分を受けることはなかったが、トルストベットはこのシーンを自身のSNSに公開し、自身に非がないことをアピール。これを韓国紙「世界日報」は、「イ・スンウと衝突した選手は、そのシーンをインスタに上げ…人種差別議論に発展」としてイ・スンウの蛮行を追及することなく、トルストベットがSNSで公開した行為を人種差別だと指摘する声があったと報じている。

 イ・スンウは7月にも、2部KFCOベールスホット・ヴィルレイクと練習試合を行った際、進路を妨害した相手に対して腹を立て、主審の目の前で激しく肘打ちを見舞ったことで、この日2枚目のイエローカードを受けて退場処分となっている。

「現在22歳のイ・スンウは、スペイン・バルセロナFCの下部組織出身で、2017年にイタリアのヴェローナへ移籍、2019年に現在のシントトロイデンに加入しています。その際、背番号10番を渡されていることからもわかるように、才能を高く評価され、大きな期待を受けています。実際、非凡な才能を持ち、韓国の未来を担う選手として国内外から嘱望されているのは間違いありません。

 しかし、いかんせん瞬間的に頭に血が上りやすいのか、たびたびラフプレーをして警告や退場処分を受けています。スペイン時代に、レアル・マドリードのセルヒオ・ラモスに対して3発連続で足を蹴り、レッドカードを受けたこともあるほどです。その際、『なぜ自分が退場させられるのか?』といったジェスチャーを取ったことで、批判の声が高まりました。

 イ・スンウは、“アジア人最高のストライカー”と評される孫興民(ソン・フンミン)とよく比較されますが、ソン・フンミンもラフプレーが多いです。しかしソン・フンミンは、“暴行王”などとどんなに批判を受けても、周りをすぐに黙らせるほどに結果を出し続けてきました。それに比べて実績がまだ少ないイ・スンウは、自身の感情をコントロールする術を覚えないと、監督にしてみれば“使いにくい選手”と判断せざるを得ないでしょう」(スポーツジャーナリスト)

 韓国代表の座からもしばらく遠ざかっているが、まずは所属クラブで結果を残すことが最優先だ。ベルギーリーグでも代表でも、試合に出場さえできれば結果を残すことはできると自信たっぷりだが、そのためには周囲の信頼を勝ち取らなければならない。
(文=編集部)