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広瀬すずを凌駕する“もう1人のすず”… 10代に圧倒的な人気と知名度、どこが魅力?

文=上杉純也/フリーライター
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「山之内すずInstagram」より

 今年の始めごろまで、芸能界で“すず”といえば“広瀬すず”の1強状態だった。だが、春ごろから“もう1人のすず”が彗星のように現れ、今や毎日のようにバラエティ番組やCMで、その笑顔を見ない日はないような状態となっている。

 たちまち売れっ子になった“もう1人のすず”とは、山之内すずだ。なかでも10代の間では圧倒的な人気と知名度を誇っている。芸能界デビューからまだわずか2年。そしてその2年で、広告契約数は14社に上る。まさに今年大ブレイクを果たした山之内。

 だが、そんな彼女について、完全に乗り遅れてしまったという中高年男性はきっと多いに違いない。そこで今回は、そんな皆さまへ“今さら聞けない山之内すず”というテーマで彼女に関するキーワードをいくつか挙げて、その魅力について迫っていこうと思う。

 まずはプロフィールから。山之内は、2001年10月3日生まれの現在19歳。身長は163センチ、血液型はB型。兵庫県神戸市出身のモデル・タレント・女優である。そのルックスはどことなくエキゾチックな雰囲気が漂っているため、一見するとハーフに見えてしまう。だが両親とも日本人で、しかも99%母親に似ているのだとか。クリッとした瞳に黒髪ショートカットもしくは黒髪ボブヘアが似合っていて、反則級にかわいい。

 気になるスリーサイズは、バスト76・ウエスト55・ヒップ81とスタイルも抜群だ。さらに特技のひとつが「編み物」。さらに最近出演したトーク番組で、「自粛期間中に料理にハマった」と発言。その手作りの料理の写真をいくつか紹介していた。簡単にラインナップを挙げると、炊き込みごはん、若鶏のグリル、肉じゃが、鯖の煮付け、揚げ出し豆腐、ナスの煮浸しという感じで、身体に良い“ザ・和食”であった。実に女子力が高いのである。

キーワードは「サロンモデル」「TiKTok」

 彼女のプロフィールを簡単に紹介するとこんな感じだろうか。それでは、いよいよ本題に入ろう。その魅力をキーワードと共に紹介する。

 彼女を語るうえでまず欠かせないキーワードは“サロンモデル”である。実は2年前の春には、まだ神戸に住むごく普通の女子高生だった。もちろん、オーディションなどを受けたこともなかった。そんな彼女が芸能界入りするきっかけは、“まさに現代風”だった。18年の4月ごろからサロンモデルを始めたことで運命が一変したのだ。撮影した写真をインスタグラムに投稿すると、またたく間にSNS上で話題になった。そして、その写真を目にした現在の所属事務所のスタッフが神戸まで訪れ、スカウトされたのである。

 こうして上京した彼女は同年夏から、まずモデルとして芸能活動を始める。ここで次に注目したいキーワードとして、動画共有アプリ“TiKTok”が挙がってくる。TikTokを始めたところ人気が大爆発し、なんと半年間でフォロワーが約16万人にまで急増したのだ。現在は驚異の54万人超えを達成しており、その大半がやはり10代なのである。

 彼女のTiKTokは、まさに10代を魅了する内容だ。これはひとつの例えだが、人気の女性アイドルグループや韓流の女性アイドルグループなどは、歌もそうだが若者にアピールし、ファンとして獲得するには、やはり抜群のダンス力が求められる。山之内の動画もダンス動画が目立つが、そのキレ、そしてリズム感が抜群なのだ。

 小中高の体育の授業でダンスが必須科目になっている現代において、10代へのアピール力はハンパない。昨年3月に開設され、レギュラー出演しているYou Tubeチャンネルの『超十代チャンネル』でも、「踊ってみた」「踊らせてみた」動画を公開しているが、honey Worksの『金曜日のおはよう』を踊った動画は大反響となり、10月末現在で136万回視聴を達成している。

 ちなみに、この動画は“踊ってみた”ではなくスタッフが無理やり、すずに“踊らせてみた”動画。本当に金曜日の早朝に踊らさせられたのだが、嫌な顔ひとつせずに踊る姿が実にかわいい。しかも、途中で踊っている彼女の前を自転車が平然と通り過ぎていくという場面もあって、かなり面白く仕上がっている。

『超十代チャンネル』では“歌ってみた”動画も投稿されており、歌声を聞く限り、こちらも表現力豊かで歌唱力のレベルは高い。その自慢の歌声で「南部九州総体2019」の公式応援ソングである『あなたらしく輝いて』の歌唱も担当している。

テレビ番組から出演オファーが殺到

 こうして、まずはSNS発信で彼女の人気に火がついたワケだが、TikTokでフォロワー約16万人超えしたころ、彼女にとってキーポイントとなる番組への出演が決定する。昨年1月からAbema TVで放送された恋愛リアリティショーシリーズの第5弾『白雪とオオカミくんには騙されない』がそれだ。

 同番組は“ガチで恋愛をしたい女子高生”を主人公に、男性陣を顔合わせ、デートを繰り返しながら恋に落ちていくまでを追いかける恋愛ドキュメンタリー番組といった内容である。彼女はこの番組に“TikToker”の肩書で出演。持ち前の明るく飾らない性格とゴリゴリの関西弁で元気にしゃべるキャラクターとして人気を博したのだった。

 こうしてティーン層を中心に人気が沸騰した山之内は、昨年7月には『TGC teen 2019 Summer』にも出演し、RASVOAやSPINSのステージでランウェイを歩き、若者から大歓声を浴びることとなる。

 この山之内すず人気を業界が見逃すハズがない。それがCMとバラエティ番組への出演急増という形で現れている。CMは19年2月からのZoffの「Zoff SMART」。『かけてる感じしない篇』が始まるが、なんといっても大きかったのは今年2月から放送されているキャッシュレス決済「PayPay」のCMだろう。このCMの一連のシリーズで彼女は宮川大輔と共演、牛丼を食べたり、一緒に踊ったりと、大きなインパクトを残すことに成功している。

 その結果、テレビ放送の調査・測定を行うエム・データによる今年3月末の『2020年早春TV-CM 急上昇タレントランキング』では、女性部門で3位にランクインしているのだ。

 ミニストップのハロハロの新商品『ハロハロ果実氷メロン』のCMでは、ブーム再来が囁かれている“パラパラ”のダンスを取り入れたアップテンポで、とても元気なCMとなっているが、そのなかで得意のダンスをキレよく踊っている姿が印象的だった。結局、今年は11月上旬現在で、4本のCMに起用されている。

バラエティ番組で重宝されるワケ

 一方、バラエティ番組は昨年7月に『林先生の初耳学』(TBS系)で地上波初出演を果たしている。放送後には、番組を観た視聴者がSNSで即座に反応。「初めて見たけど、検索したらかわいすぎてファンになりました」など、大反響を呼んだ。

 さらに『しくじり先生 俺みたいになるな!』(テレビ朝日系)に生徒役で出演した際に、この日の題材となった映画『タイタニック』の公開時には「生まれてなかった」と明かすと、同じ生徒役で驚いたハライチ・澤部佑から「タイタニック後のオンナ」とツッコまれ、スタジオ中が大爆笑する場面も生まれた。当然のごとく、同番組放送後には「制服似合いすぎ!」や「タイタニック後のオンナ。この子かわいいなー」といった声がSNS上で沸き返っていた。

 その後も、『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)、『世界一受けたい授業』(同)、『ヒルナンデス!』(同)の水曜シーズンレギュラー、『サンデージャポン』(TBS系)、『櫻井・有吉THE夜会』(同)、『この差って何ですか?』(同)など、地上波の人気バラエティ番組に引っ張りだこ状態となっている。

 上記番組への出演はすべてレギュラーではないが、逆にこれだけゲストで呼ばれるというのは、やはりテレビ局の若い世代対策といえる。インターネットの発達とともに若者層のテレビ離れが進んだ昨今、彼らを呼び戻すには“ティーンのカリスマ”である彼女に頼るところが大きいのではないか。

 さらに彼女のすごいところは、コメント力が秀逸で瞬発力もあるところだ。とても10代とは思えないほど的確で、しっかりしているというべきか。一方で飾らない自分の言葉を発しているが、それが10代ならでは“若者目線”として、ちゃんと成立している。

 たとえば前述した『この差って何ですか?』の8月18放送回では、“なんでそんな言い方?”“イラッとされる余計な一言”というテーマが取り上げられたのだが、そこで山之内は「私、久しぶりに会った人に、普通に『かわいくなったね』って言ってくれたらいいのに、『整形した?』って言われて。いやもう『かわいくなったね』でいいやんと思って」とド直球に自身のムカついた体験談を語っている。ちなみに、山之内は整形していない。

 さらに11月14日に出演した『メレンゲの気持ち』(日本テレビ系)では、最近の若者文化の傾向について質問されたのだが、「昨今のご時世もあって、お出かけすることが難しいから新しいものが生まれてない」と、ズバリ。続けて「私の周りでは“振り返りタイム”に入っていて、音楽でも小学生のときに聞いていた曲が流行っていたり、料理でもやれチーズだとか言われましたけど、結局、“家庭料理っておいしいよね”って行き着きました」と、その理由を流れるように明解に述べたのである。

 この持ち前のコメント力を武器に、今年はすでに100本以上の番組に出演を果たしている点は、まさに驚異。

レギュラー番組を持たないのは戦略?

 変わったところでは、苦手な食べ物に挑む料理バラエティ『ボクを食べないキミへ~人生の食敵~』(Eテレ)や、NHK総合で不定期に放送される『LIFE!~人生に捧げるコント~』が挙げられよう。特に後者では、彼女にピッタリのダンス部員役に扮して、本格的なコントに初挑戦している。その踊りぶりは、さすがのキレ味であった。

 さらに今月13日には、2本目の映画出演作となる『人狼ゲーム デスゲームの運営人』(AMGエンタテインメント)が公開された。オーディションを経て掴んだ末吉萌々香役を演じ、本格的に演技に挑戦した注目作である。女優としての期待も高まっているが、本人的にも演じることに対して意欲的なようだ。

 となると、あとはテレビのレギュラー番組だけなのだが、この秋の改編でもバラエティなどのレギュラーをゲットすることはなかった。レギュラーといえるか否かは微妙だが、11月からスタートした『スポーツを止めるな』(TBS系)という学生スポーツを応援するミニ番組のナレーションを務めている。

 売れっ子になれば、その安定した地位を保つためにレギュラー番組は欲しいところ。そんななか、あえてレギュラー番組を持たずにゲストとして出演しまくるというのも、もしかしたら山之内を売り出す戦略なのかもしれない。

上杉純也/フリーライター

上杉純也/フリーライター

出版社、編集プロダクション勤務を経てフリーのライター兼編集者に。ドラマ、女優、アイドル、映画、バラエティ、野球など主にエンタメ系のジャンルを手掛ける。主な著作に『テレビドラマの仕事人たち』(KKベストセラーズ・共著)、『甲子園あるある(春のセンバツ編)』(オークラ出版)、『甲子園決勝 因縁の名勝負20』(トランスワールドジャパン株式会社)などがある。

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