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石原結實「医療の常識を疑え!病気にならないための生き方」

なぜスウェーデンは、コロナ感染者数が突出して少なくなったのか?

文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士

なぜスウェーデンは、コロナ感染者数が突出して少なくなったのか?の画像3

 ウイルスが気管支や肺にくっついても、細胞内に侵入する前に排除すれば「感染」も「発症」もしない。「免疫」には「自然免疫」と「獲得免疫」がある。

<自然免疫>

(1)病原体(ウイルスや細菌など)が体内に侵入しないように防ぐ「皮膚」、鼻毛や気管支の繊毛などの物理的バリアー、胃液(強酸)、だ液、鼻汁、涙(IgAなどの免疫物質が存在)など

(2)好中球、単球(マクロファージ)、NK(natural killer=自然の殺し屋)細胞など白血球の働き

 こうした白血球は「貪食細胞」と呼ばれ、体内に侵入してきた病原体を貪食して排除するほか、十分に抑制できないほど敵(病原体)の勢いが強いと、その情報を「獲得免疫」に知らせる。がん細胞の貪食でも有名なNK細胞はウイルスに感染された細胞を直接、貪食、殺戮(さつりく)し、「獲得免疫」が働きだすまで大活躍する、いわば「先発隊」。軽い感染症なら「自然免疫」だけで回復し、「獲得免疫」を発動させる必要はない。

<獲得免疫>

「自然免疫」だけで病原体を防御できないときに発動する。

(1)液性免疫

 病原体に対して「β―リンパ球」により抗体(免疫グロブリン)がつくられ、その特定の病原体にだけ反応して排除する。一度感染した病原体に対して、半永久的に「記憶」を持つので、再び病原体が侵入してきても抗体が攻撃してくれるので、症状なしか軽症で済む。「一回ハシカに罹れば二度と罹らない」のは「液性免疫ができた」ことによるもので一般に「免疫がついた」というのはこの現象のことをいう。

(2)細胞性免疫

 キラーT細胞(細胞傷害性Tリンパ球)がウイルスに感染した細胞を細胞ごと排除する。「免疫」は、「獲得免疫」より「自然免疫」のほうがより重要とされる。私が長崎大学大学院博士課程で白血球の研究をしていた40数年前、某大学の陸上競技部で合宿中の学生の「白血球の貪食能」について実験研究したことがある。

 毎日、ハードな短距離走の練習をこなしていくと、日が進むごとに好中球、マクロファージによる病原体貪食能が増強していくことが確かめられた。つまり、筋肉運動をすると「自然免疫が増強する」という証左である。また別の実験で、入浴後も白血球の貪食能が増強することが確認できた。

「筋肉運動」「入浴」後に起こる同じ現象は「体温上昇」である。よって、運動、入浴、サウナ、日本酒の熱燗や熱い味噌汁、熱い生姜紅茶を飲むなど、発汗する(体温が1℃上昇)ような習慣を心掛けると「自然免疫」が増強するといってよい。

 腸の中には血液中のリンパ球を含め、体全体のリンパ球の70%が存在している。この腸内のリンパ球を活性化してくれるのが乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌である。腸内の善玉菌を増やすには、納豆、漬物、キムチ、梅干し、味噌などの発酵食品を努めて多く摂取すること、そして善玉菌の棲み処と餌になる食物繊維を、それを豊富に含む海藻、豆類(大豆、小豆)、ゴマ類、ゴボウ、タケノコなどを多食することによって存分に摂ることである。

(文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士)

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