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野村直之「AIなんか怖くない!」

人間が見やすいExcelの作成は、もうやめよう…業務効率が1000倍になるDX活用術

文=野村直之/AI開発・研究者、メタデータ株式会社社長、東京大学大学院医学系研究科研究員
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「それでは人間にとって見にくい(醜い)ではないか?」との声には、「カード型データベースのように、各行を1枚のカードに奇麗に見やすく配置して閲覧、編集するフロントエンドをつければよいでしょう?」という回答があります。機械向けには、CSVや、TSVのままではなく、遠方にあるコンピュータが直接呼び出して処理できるように、API(Application Programming Interface)にします。

 それにより、丸ごと持っていかれてどう使われるかわからない危険な状態から、アクセス者が、そのアクセス権に従って必要な部分を必要なだけ検索・加工して取り出せるオンライン・データベースになります。ブラウザでも試しに呼び出すことはできますが、原則、プログラムがAPIを自動で呼び出します。企業と企業が互いにAPIを提供し合うことで、業務連携のスピードは100倍にも1000倍にもなります。

 日経BP 総合研究所 未来ラボ 上席研究員・谷島 宣之さんは記事、『「デジタル人材」を巡る人事部の誤解』の中で、「これから社会が変わっていく」という誤解を正すよう指摘しています。そう、社会のほうがとっくに変わっているのです。昔は、実験室からもってきた軍事用の製品が民生用よりはるかに優れていました。往時、米国の軍事規格MIL規格が圧倒的に最先端の技術水準(精度、速度、耐久性……)にあり、民生用は何年も後に、そのおこぼれにあずかる感じでした。しかし、コストゼロでコピーし、広められるソフトウェア、デジタルデータが支配する時代には、個人向け、一般消費者向けのほうが性能で先行しがちです。5万円のスマホに1億画素オーバーのカメラや高度なAI機能が搭載されたりと、枚挙にいとまがありません。

 古い情報システムをもった企業のほうこそ、一般人の個人生活、社会生活を激変させたITインフラをうまく取り込んで必死にキャッチアップしなければならない時代といえるでしょう。スマホを複数使い分ける煩雑さに大半の人は耐えられないから、BYOD(Bring your own device)と呼ぶ、個人スマホを会社業務に使う。

 しかし、悪しき公私混同による情報漏洩リスクも同時に抱え込むことになり得ます。良い公私混同で、プレッシャーなく、個人生活から創造的なアイディアを生み出すような社員を増やせたらどんなに良いでしょう。正しいDXを考えるとき、周辺や形から入るのではなく、デジタル人材をパワーアップするという中核から攻めるべきではないでしょうか。

(文=野村直之/AI開発・研究者、メタデータ株式会社社長、東京大学大学院医学系研究科研究員)

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