
新型コロナウイルスが猛威を振るった2020年。エンターテインメント界も『鬼滅の刃』以外はブームと呼べるものが生まれなかったという印象が強い。そんな中で、ひっそりと消えていった芸能人もいるという。
たとえば、今年4月スタートのドラマ『M 愛すべき人がいて』(テレビ朝日系)で主人公のアユ役を演じて話題となった、あの歌手だ。
「安斉かれんは、2019年5月1日の“令和元日”にデビューしたド新人。歌手としてのキャリアも浅い彼女が初めて女優に挑んだことで、大いに話題を呼びました。回を追うごとに安斉への注目度も増し、最終回前後の7月には、『踊る!さんま御殿!!』や『今夜くらべてみました』(ともに日本テレビ系)といったバラエティで“お試し”的にゲストで呼ばれたことも。しかし、見た目以上の爪痕を残せず、そのままフェードアウトしてしまいました」(テレビ局関係者)
そもそも、なぜ演技初挑戦だった安斉がドラマの主演に抜擢されたのだろうか?
「周知の通り、このドラマは浜崎あゆみの自伝的小説『M 愛すべき人がいて』が原作です。浜崎と安斉が同じエイベックス所属ということもありますが、小説の出版元である幻冬舎の見城徹社長がエイベックスの非常勤取締役という役職に就いているのです。つまり、この企画は単に小説をドラマ化するというだけでなく、何かしらの話題づくりを狙っていたと見るのが自然でしょう」(同)
演技未経験者がドラマに抜擢されたケースは、過去にもある。たとえば、2016年に放送された福山雅治主演の月9ドラマ『ラヴソング』(フジテレビ系)に、福山と同じアミューズ所属で当時20歳のシンガーソングライター・藤原さくらが抜擢された例だ。
「しかし、このドラマは福山主演にも関わらず、平均視聴率8.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と大爆死。ドラマ自体の出来も賛否を呼びましたが、以来、藤原は女優としての名声はおろか、歌手としても『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)に出るくらいで、あまり名前を聞きません。この藤原も今回の安斉も、話題づくりのために“いいように”使われてしまった悪例ではないでしょうか」(同)
続いては、板橋駿谷だ。この名前を聞いてピンときた人は、どれくらいいるだろう。2019年度前期の連続テレビ小説『なつぞら』(NHK)で、当時34歳ながら高校生“番長”役を演じた俳優である。
「板橋はその後、月9の『ラジエーションハウス』(フジテレビ系)などの地上波ドラマ、さらには『有吉ジャポン』(TBS系)、『THE突破ファイル』『有吉ゼミ』(ともに日本テレビ系)といったバラエティにも多数出演しましたが、あまり長くは続きませんでした。ガタイの良さから醸し出す存在感はあるのですが……。ただ、一定の需要はあり、この後も映画やドラマへの出演が何作か予定されているので、今後の活躍次第では名バイプレーヤーとしての地位を築くかもしれません」(同)
『カメラを止めるな!』俳優たちの今
2018年に公開され、興行収入31億円を記録した大ヒット映画『カメラを止めるな!』。この作品で注目されたのが、主人公の映像監督・濱津隆之、その妻役・しゅはまはるみ、娘役・真魚、女優役・秋山ゆずきなどだ。