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福島原発・汚染水、県議会「安全確認できた」…不適切な測定方法か、測定不能な測定器使用か

文=菅谷仁/編集部
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「測定は基本的に東京電力が行っています。トリチウムは非常に微量な放射線を発しているため、いわゆる空間線量計では測定できないので、一貫して高精度の液体シンチレーション検出器を使用します。ご指摘の写真がどのようなものか把握していませんが、そうした測り方でトリチウムを正確に測定することは難しいと考えます」

東電「ALPSでγ線核種が除去できていることを示す測定」

 では、いったい誰がこのような測定をしようと考えたのか。そもそもこの線量計の持ち主は誰なのか。福島県関係者は次のように話す。

「1F(福島第一原発)の視察では、基本的に外部の測定器の持ち込みはできません。東電側が用意し、向こうの指示に従って実施したものだと思います」

 同県議会事務局担当者も「当方からの持ち込みではなく、現地で借りたものです」と語る。

 そのうえで、東電福島広報部にこの測定器は誰が用意したのか、こうした測定方法が適切だと考えているのかについて聞いたところ、次のような回答を得た。

「測定器は当方が当日貸し出したものです。ご指摘のように、この測定器はトリチウムのβ線を計測するのは適していません。当方としては、ALPSでセシウムなどのγ線核種がしっかり除去できているということをご理解いただくために、機器を貸し出させていただきました。今回の測定の趣旨は、トリチウム水が周囲に高いγ線を発しているということはなく、周囲のバックグランドと同じ程度の線量であることを示すためのもので、トリチウム水自体の線量を測定するものではないと考えております」

 県議会、東電ともにトリチウム水の安全性を強調したかったのだろうが、このアピール方法では誤解や邪推を招く可能性が高いのではないだろうか。いずれにせよ科学的に正確な立証と誤解のない情報発信を重ねない限り、風評被害の払拭は難しいだろう。

(文=菅谷仁/編集部)

 

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