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松岡久蔵「空気を読んでる場合じゃない」

トヨタ豊田社長のご乱心…新聞社買収画策で批判封殺、一部メディアを会見“出入り禁止”

文=松岡久蔵/ジャーナリスト
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 トヨタが日刊自動車新聞や日刊工業新聞を買収できたとして、もともと悪く書かれることのない業界紙、専門紙を支配下に置いたところで、次は一般紙に食指を伸ばしたくなるのは目に見えている。次なるターゲットは経営難が続く毎日新聞や産経新聞だろう。ウルさ方をカネで屈服させたい欲求に歯止めはかけようがないからだ。

現代日本で言論統制など不可能

 この「ファクタ」報道にもある通り、日本経済新聞と毎日新聞が2020年9月中間決算の事前報道が豊田氏の逆鱗に触れ、決算会見を出入り禁止になったのは、筆者も複数の関係者に取材し事実だと確認した。どちらの記事も新聞メディアとしてはごくごく普通の内容であり、怒るような部分はまるでない。これまでさまざまな経営者を取材したが、内容自体を問題にせず「自社のコントロールが効かない」というだけで出入禁止にする大企業はトヨタだけである。

 筆者が豊田氏に申し上げたいのは、SNSが普及し国民総メディア化している現代において、情報統制など不可能だということである。事実、「ファクタ」だけでなく、独立系メディアの「Business Journal」でも批判記事を出せる以上、つくろおうとすればするほど逆のニュースが出た時のダメージは大きくなる。メディアでなくてもツイッターなどでつぶやかれることでイメージがダウンすることも、まったく珍しくない。そんな時代にわざわざ老舗メディアを買収しようなど、はっきり言ってカネのムダだ。それにトヨタは東証一部上場企業である。今回の新聞社の買収計画を進めるとなれば、なんと株主に説明するつもりだろうか。自社のイメージアップには高すぎる買い物だろう。

言論の自由は自動車の歴史よりも古い

 言論の自由は権力者に対して自由にモノを言えるということに本質があり、それが民主主義社会の根幹をなすものである。日本国憲法には、クルマをつくる自由は書かれていないが、言論の自由、表現の自由はしっかり明記されている。自動車は生活を支える重要な役割を担っているのは間違いないが、いくらいい自動車があっても金持ちに言いたいことも言えない社会のほうが息苦しいのは間違いない。何より、戦後の自由な社会から、優れたトヨタ車も世に出たのではあるまいか。豊⽥社⻑にはそのあたりをしっかり考えてメディアとお付き合いいただきたいものである。

(文=松岡久蔵/ジャーナリスト)

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●松岡 久蔵(まつおか きゅうぞう)
Kyuzo Matsuoka
ジャーナリスト
マスコミの経営問題や雇用、農林水産業など幅広い分野をカバー。特技は相撲の猫じゃらし。現代ビジネスや文春オンライン、東洋経済オンラインなどにも寄稿している。ツイッターアカウントは @kyuzo_matsuoka

ホームページはhttp://kyuzo-matsuoka.com/

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