
予想通り。いや、予想以上だったかもしれない。
12月3日に行われた、アンジャッシュ・渡部建の謝罪会見。額に大粒の汗をにじませながら「いや、本当に」「申し訳ありませんが、私の口からは言えません」などと何度も同じ言葉を吐くばかり。プライド高き渡部は、終始しどろもどろで痛々しくすら見えた。「何も変わらない会見」と言っても言い過ぎではない気がした。
騒動をこじらせたプライドの高さ
「こうなるかな、と想像した通りの会見で、何もサプライズがありませんでした。あまりにもつまらないので、『早く終わらせろ』と感じたほどでした」と、ある芸能プロダクション関係者は感想を述べた。
「すべては渡部さんのプライドの高さが、今回の一件をこじらせています。本来は多目的トイレ不倫が明るみに出た時点で即会見すべきでしたが、プライドの高い渡部さんは世間が忘れるのをじっと待つ、という手段を選びました。会見でいろいろ聞かれ、自身のイメージがズタボロになるのを避けたかったのだと思います。そこに『多目的トイレに女性を呼び出して1万円を渡した行為を、世間はどう感じたか』という客観的視点はなかったですね。だからこそ、会見より先に『ガキ使』の収録を行ってしまったのです。しかし、『渡部復帰』というニュースに対する拒否反応がすごかったので、今さら会見をやるしかなくなった。すべてが後手後手です」
瀬戸際まで追い込まれた挙げ句、謝罪会見を開かざるを得なかったわけだが、そこにこれまでの渡部の姿はなかった。
ベテランのテレビ関係者も、次のように語る。
「芸人は、笑えなくなったらおしまいです。古い話ですが、人気芸人だったトニー谷さんは長男が誘拐された際、涙を流して世間の同情を誘いましたが、それ以来、トニーさんの人気は凋落しました。早い話が、涙のイメージが強すぎて笑えなくなってしまったんです。今回の渡部の会見も、しどろもどろすぎて、もはやこれまでの高慢キャラでは通用しない気がしました」
渡部が生き残るための最後のチャンスとは
では、今後の渡部はどのようなキャラでいくべきなのだろうか。
「たとえば、追加収録してでも、『ガキ使』で蝶野さんに思い切りビンタをくらうというのはアリだと思います。世の中の人たちは、プライドの高い渡部のゲス不倫だからこそ、強く反発したわけです。今度は、渡部がギャフンとなる姿を多くの人が目にしたい。ただ、芸人である以上は笑いが必要です。蝶野さんに『このゲス野郎!』とビンタされ、その際に笑えるリアクションを取れれば、世の中の反感も次第に緩和されると思います」(前出のテレビ関係者)
仮にこのプランを実行するなら、カギはビンタを受けた後に上手なリアクションを取れるかどうか。これまでのキャラやイメージを捨てて“ヨゴレ芸人”になってみる。すると、「新たな渡部建」が生まれるはずだが、本人がプライドを捨てきれるか。
「ピンチはチャンス」。新たなキャラで生きてみろ、渡部!
(文=井山良介/フリーライター)