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木村隆志「現代放送のミカタ」

『危険なビーナス』4つの謎が最終回で全解明へ…犯人は原作通りか、考察合戦が本格化

文=木村隆志/テレビ・ドラマ解説者、コラムニスト
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日曜劇場『危険なビーナス』|TBSテレビ」より

 今や絶滅気味となってしまった長編ミステリーに挑む意欲作であり、あの『半沢直樹』に続くドラマとしても、放送前から期待と不安の相反する声が上がっていた『危険なビーナス』(TBS系)。

 ところが最終話を前に12月6日放送の第9話が世帯8.7%、個人4.9%と視聴率がグッと下がってしまった。前週の第8話が世帯10.9%、個人6.1%だったことから急落ぶりが気になるところだ。

 長編ミステリーと言えば、『テセウスの船』(TBS系)や『あなたの番です』(日本テレビ系)がそうであったように、終盤に向かうにつれて盛り上がり、視聴率も右肩上がりの傾向が強いだけに、関係者にしてみれば痛恨だろう。

 しかしそれでも、「失踪した弟・明人(染谷将太)の行方」「母・禎子(斉藤由貴)の死」「義理の妹・楓(吉高由里子)の正体」「犯人は誰なのか?」という4つの謎が残され、残り1話で全解明に挑む最後の物語は注目度が高い。

 ここでは右肩上がりになるはずの終盤に失速してしまった理由と、気になる結末について掘り下げていきたい。

しびれを切らしてネタバレを読む人も

 ここまで当作をストレスなく見続けてきた人は、かなり我慢強いか、日曜21時台の『日曜劇場』を見る習慣がついているのだろう。そう言いたくなるくらい物語はなかなか動かず、主人公の目的もドラマのテーマもわかりにくく、「危険なビーナスが誰なのか」すらよくわからないという状態が続いていた。

 ネット上の声に「名家の遺産相続だけでは興味をそそられない」という声が少なくなかったのも無理はない。主人公の伯朗(妻夫木聡)が「矢神家の遺産相続問題に興味を示さず、ただ楓に惹かれてつき合っていただけ」という態度なのだから、視聴者に興味を示せと言っても無理があるだろう。さらに、タイトルの“危険なビーナス”だったはずの楓にも怪しげなムードはなく、吉高由里子本人のイメージもあって、伯朗とイチャイチャするようなシーンばかりが目立っていた。中盤までは「何が目的で見ればいいのかわからない」というドラマになっていたのだ。

 登場人物たちは互いを牽制し合うばかりで動きは少なく、「楓さんには気をつけろ」という取ってつけたようなセリフが続き、伯朗の妄想シーンでもてあそばれていらだった視聴者の中には、「しびれをきらして原作小説のネタバレを読んでしまった」という声も散見された。

 しかし、第6話でようやく「母・禎子が殺されたのではないか」という疑惑が浮上して伯朗は前のめりとなり、「捕らえられた明人の救出」とともに、視聴者にとっても気になるテーマが生まれた。

 それから、後天性サヴァン症候群、フラクタル図形という真相に迫るキーワードが現れて、ようやく犯人の考察が本格化しつつある。つまり、「やっとミステリーを楽しむ段階までこぎつけた」という印象が強く、視聴率の低下は辛抱強く見続けてきた人が息切れしてしまったのではないか。

犯人は原作通りか、脚色はあるのか

 第9話の前後で、ネット上には長編ミステリーにつきものの犯人当て考察がようやく増えてきた。

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