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ミニストップ、フランチャイズ契約が画期的!コンビニオーナー搾取問題を根本的に解決か

文=大﨑孝徳/神奈川大学経営学部国際経営学科教授

ミニストップの覚悟…利益を分かち合う真に対等な関係構築

 こうしたなか、業界4位のミニストップは、本部と加盟店の関係を抜本的に改革する「ミニストップパートナーシップ契約」という大胆な方策を打ち出している。結論を先に述べれば、“利益を分かち合う、真に対等な関係”の構築を目指すというものである。

 通常、コンビニのフランチャイズでは、売上から仕入れ原価を引いた加盟店の粗利益に対して、本部が一定割合をロイヤリティとして徴収する仕組みとなっている。よって、仮に人件費や廃棄ロスなどにより加盟店が赤字であっても、本部は一定の収益を確保している。

 しかし、ミニストップの新たなフランチャイズ契約である「ミニストップパートナーシップ契約」においては、加盟店の粗利益から人件費や廃棄ロスなどの店舗営業経費と固定費を差し引いた事業利益を、加盟店と本部で分け合う仕組みになっている。つまり、加盟店が赤字の場合、本部の儲けもなくなるという実にフェアな関係が構築される。

 ミニストップは、改善報告書において、“当社は、加盟店との契約を「フランチャイズ契約」から「ミニストップパートナーシップ契約」に変更することにより、社会環境の変化への対応を進めるとともに新しい時代の要請に積極的に応え、コンビニエンスストア事業の新たなビジネスモデルを創造し、企業の社会的責任を果たしてまいります。”と述べている。

 こうした改革により、多くの効果が見込まれる。まず、従来、廃棄ロスを恐れ抑え気味であった仕入れの量が増加し、店の品ぞろえが充実することが期待されている。さらに、加盟店においては、自らの取り分が増加するため、接客などのサービスの向上、売り上げ増を目指した顧客や商品情報の本部へのフィードバックなどにも、これまで以上に主体的に取り組むようになるだろう。

 また、本部も従来のフランチャイズ契約と異なり、加盟店が黒字にならなければ収益を上げられないため、例えば24時間営業やドミナント出店に関しても慎重になるだろう。つまり、加盟店の粗利益ではなく、最終的な利益を本部と分かち合うという改革により、コンビニにかかわる多くの問題は自然に解消していくということである。

 このように最終的な利益を加盟店と本部で分かち合うという、真に対等な関係は、さまざまなメリットを生み出す。もちろん、本部にとってはリスク拡大となるが、本来、加盟店をしっかり儲けさせてこそのフランチャイズであり、覚悟をもって引き受けるべき当然のリスクであろう。こうした真に対等なフランチャイズの仕組みが、ほかのコンビニはもちろんのこと、世の中全体に広がっていくことを期待したい。

(文=大﨑孝徳/神奈川大学経営学部国際経営学科教授)

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