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木村隆志「現代放送のミカタ」

『姉ちゃんの恋人』低視聴率でも満足度の高いドラマに…『わたナギ』を“上回る”点とは

文=木村隆志/テレビ・ドラマ解説者、コラムニスト
『姉ちゃんの恋人』低視聴率でも満足度の高いドラマに…『わたナギ』を上回る点とはの画像1
火9ドラマ『姉ちゃんの恋人』| 関西テレビ放送 カンテレ」より

 放送前から、「また岡田惠和の脚本でヒロインが有村架純なのか」「朝ドラ『ひよっこ』と出演俳優がかぶりすぎ」などと揶揄する声が目立ち、先行きが危ぶまれていたドラマ『姉ちゃんの恋人』(カンテレ・フジテレビ系)。

 世帯視聴率は7%台に留まっているが、カンテレ制作の火曜21時台ドラマは6%台に終わることが多く、むしろ悪い方ではない。それ以上に象徴的なのはネット上のコメントが、「優しい気持ちになれる」「あたたかくて心が癒される」「もっと視聴率が高くてもいいドラマ」「知られていないだけで見ている人の満足度は高い」などと好意的なもので埋め尽くされていることだ。

 まさに朝ドラ『ひよっこ』がそうだったように、序盤こそ物足りなさを感じさせるものの、徐々に好意的な声が増え、終盤には愛着が生まれている……という岡田惠和の持ち味が発揮されていると言えよう。

 しかも当作は、ただヒロインの恋を描いただけの物語ではなく、弟、親友、先輩の恋、さらには周囲の人々との何気なくも幸せな日々が丁寧に描かれている。

短期間を切り取った希少価値の高い物語

 あらためて作品全体を振り返ると、まず「ハロウィンからクリスマスまでの日々を描く」という短い時間の切り取り方に驚かされた。連ドラは最低でも数年間は描かなければキャラクターの変化、成長、成功や失敗などを見せづらいところがある。それらをわずか2~3カ月程度の期間だけで見せようというのだから、岡田惠和ならではの技術と言うほかない。

 そんな岡田の手がけた『ひよっこ』も、戦前戦後の激動期を含む数十年間を描く作品が多い朝ドラの中で、「1964年から1968年までのわずか4年を描いただけ」という異色の作品だった。岡田に言わせれば、「魅力的なキャラクターを描き、そこにドラマ性を持たせるには、これくらいの期間で十分」ということではないか。

 そして、この作品の特徴を挙げるとしたら、「ハートウォーミング」という一言に尽きる。当作は主に以下7つのシーンで構成されているが、すべてがほっこりとしていて、あたたかいムードで包まれている。

(1)安達桃子(有村架純)と弟3人の家族団らん

(2)桃子が勤めるホームセンター「T’s Craft & Home」のホームファッション売場

(3)吉岡真人(林遣都)が勤めるホームセンター「T’s Craft & Home」の配送部

(4)桃子と親友・浜野みゆき(奈緒)が会って話すコンビニ

(5)真人の母・貴子(和久井映見)が勤める弁当屋「藤吉」

(6)桃子の上司・市原日南子(小池栄子)と真人の上司・高田悟志(藤木直人)が行きつけのバー

(7)みゆきと桃子の弟・和輝(高橋海人)が恋を育む

 12月8日放送の第7話でも、桃子が(1)で弟たちに、(2)で同僚たちに、真人との交際を報告するシーンがあり、そこから派生して弟・和輝が真人に「姉ちゃんをよろしくお願いします」と伝えるシーンもあった。また、(4)でみゆきが桃子に和輝との恋を打ち明けるシーン、(5)に桃子が訪れて貴子に紹介されるシーンもあった。

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