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「Pornhub」不適切動画が一斉削除、国内ビデオメーカーや女優も安堵のワケ

文=編集部
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Pornhub公式サイトより

 世界最大の成人向け動画投稿サイト「Pornhub」上で14日、数十万本の動画が削除された。15日、日米のTwitterでは「Pornhub」がトレンド入りした。同サイト上の動画をめぐっては、コンテンツの違法アップロードの懸念に加え、リベンジポルノや児童のわいせつ動画が配信されている可能性が指摘されていた。米ニューヨークのウェブメディア「Viceは14日、同サイトで記事『Pornhub Just Purged All Unverified Content From the Platform』を公開。Pornhubが承認していないユーザーによるコンテンツがすべて削除されたことを伝えた。

女性の人権保護団体のロビー活動でカード決済が停止

 同記事によると、今回の動画削除措置はPornhubでMastercard、Visaの決済が停止されたことが決定打になったという。女性の人権侵害と児童性的搾取の危険性を訴え、米国内の女性人権団体「National Center on Sexual Exploitation」と「Exodus Cry」がクレジットカード決済会社などにロビー活動を実施して圧力をかけ、動画を削除するよう促したようだ。こうした動きに対し、Pornhubは以下のように見解を表明している。同記事から引用する。

“The two groups that have spearheaded the campaign against our company are the National Center on Sexual Exploitation (formerly known as Morality in Media) and Exodus Cry/TraffickingHub. These are organizations dedicated to abolishing pornography, banning material they claim is obscene, and shutting down commercial sex work. These are the same forces that have spent 50 years demonizing Playboy, the National Endowment for the Arts, sex education, LGBTQ rights, women’s rights, and even the American Library Association. Today, it happens to be Pornhub.”

(当社に対するキャンペーンの先頭に立った2つのグループは、国立芸術基金とExodus Cry / TraffickingHubは、ポルノの廃止、わいせつと主張する素材の禁止、閉鎖に取り組んでいる組織です。これらはプレイボーイ誌(のヌード)、国立芸術基金、性教育、LGBTQの権利、女性の権利、さらにはアメリカ図書館協会のデモに50年間を費やしたのと同じ勢力です。今回、そのターゲットがPornhubになったのです)

 一方で、Pornhubは22人の女性から詐欺、精神的苦痛による損害賠償、肖像権の不正流用で訴えられているという。

日本の業界「違法コンテンツのアップロードをやめてほしい」

 今回のPornhubの動画削除騒動に関し、日本国内の大手成人向けビデオメーカー関係者は次のように語る。

「Pornhub上では、我々が製作したコンテンツを加工し、モザイクなど除去した違法動画が、誰だかわからない未承認ユーザーによって多数アップロードされており、業界としても削除要請や著作権侵害で対応をしていました。また引退し、国内では流通を止めた女優さんの作品が、Pornhub上でずっと拡散され続けるなんてことも多々あり、作品に出演した女優さんに長年にわたって精神的な苦痛を与えることもあります。当然、これはプロの女優さんだけではありません。

 2007年ごろに週刊誌や夕刊紙で大々的に報じられましたが、大手部品メーカーの男性社員が交際相手の女性と“ことに及んでいる”様子を個人的に撮影した動画がネット上に流出し、大炎上した事件がありましたよね。その問題の動画が、今もPornhub上で公開されていました。無法地帯化している現状はやはり変えるべきでしょう」

 一方、ビデオに出演した経験のある女性は今回のPornhubによる動画の削除に一定の理解を示しつつも、次のように不安を隠さない。

「明らかに嫌がっている幼い子供が乱暴されているような動画もあったので、そういう動画は即刻削除するべきだと思います。

 ただ私は、いわゆる自撮りを経てスカウトされて業界に入ったので、こういう誰もが自由に表現できるPornhubのようなサイトの存在意義はあると思っています。不安なのは、最近アメリカなどの一部の過激な人権団体の人たちが、性的な産業に従事するすべての人を排除しようという点です。今回のPornhubの件もそういう運動の一環だと聞きました。望まない仕事をしている人もいますが、この仕事にプライドを持っている人間もいるし、こういうことが好きな人間もいます。いきなり仕事を奪って食べていく糧を与えず、『あなたの人権は守られたから、別の仕事をしなさい』というのは正直迷惑です」

 女性や子どもの人権、著作権の問題も含め、今回の問題は大きな波紋を広げそうだ。

(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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