
コンビやグループを組むお笑い芸人を語る際に、“じゃないほう芸人”という言葉が使われることがよくある。これは知名度の高さによって、コンビ内・グループ内の格差が生まれたときに、知名度の低いほうの芸人、もしくはキャラの弱さから印象が薄い芸人を指す言葉となっている。
今回はそんな“じゃないほう”の、女子アナ版を考えてみることにした。現在、注目を浴びている人気女子アナと同期入社したアナウンサーたちを調べてみると、なんと意外な名前が出るわ、出るわの結果となった。
まずは今や飛ぶ鳥を落とす勢いのテレビ朝日・弘中綾香アナ、“じゃないほう”から紹介しよう。弘中アナは2013年入社だが、その同期入社の女子アナは、林美沙希アナである。14年春からの2年間、『報道ステーション』でお天気キャスターを務めていたといえば、おわかりになる人もいるのではないだろうか。
そんな林アナは現在、局の夕方の看板ニュース番組『スーパーJチャンネル』の平日版女性メインキャスターを務めている。それも18年の10月からなので、もう2年にもなる。同番組に最初に加入したのは16年4月で、当初はフィールドキャスターやサブキャスターを担当していた。つまりはここ数年にわたって、テレ朝のニュース番組期待のホープなのである。
観る者が安らぐような笑顔と優しく語りかける口調が魅力で、まさに“癒し系お姉さんアナ”である。殺伐としたニュースが多いなか、彼女の存在はこれ以上ない、一服の清涼剤となっているのだ。
結局のところ、この13年入社組の同期2人は、バラエティ中心の弘中アナと、報道畑の林アナということで、実は見事にバランスが取れているのである。
テレ朝といえば、人気アイドルグループ・乃木坂46の元メンバーで、現在は『羽鳥慎一モーニングショー』や『林修の今でしょ! 講座』などのレギュラー番組を持つ斎藤ちはるアナの活躍ぶりがここ最近は目覚ましい。
そんな斎藤アナの“じゃないほう”といえば、今やじゃないほうとはいえないくらい目下売り出し中になっている。斎藤アナと同期だと知らない人でも、彼女の名前もしくは顔はわかるのではないだろうか。それは局の夜の看板ニュース番組『報道ステーション』でお天気キャスターを務めている下村彩里アナである。
入社1年目となる19年4月から担当していて、当初は金曜日のみだったが、半年後には月~木に、そして今年の春からは月~金通しでの出演となり、活躍の場が広がった。夜にもかかわらず爽やかな笑顔を届けてくれる下村アナだが、コンビを組む気象予報士の喜田勝氏とのフレッシュな掛け合いが見どころのひとつだ。そんな彼女の魅力は声質だろう。実に聞き取りやすく、天性の才能ともいうべき美しい声を持っている。
ここで最後に、彼女の失敗談を紹介しよう。それは入社1年目だった昨年、ある日の本番直前のこと。緊張をほぐそうと深呼吸したところ、それがあまりに大きすぎたのだ。結果、ピンマイクを通して、ほかの人が話しているときに、その音が入ってしまったのである。下村アナはその後、ものすごい勢いで謝ったようだ。