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長谷川高「“ガラガラポン”の時代を生き抜くための経済・投資入門」

私が騙された“元経産省・ハーバード卒”詐欺師の手口…投資の「儲け話」は詐欺の証し

文=長谷川高/長谷川不動産経済社代表
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 私は、自分は人の真贋を見抜けるほうだと思っていたのですが、あの詐欺師だけは少し話しただけでは、1%たりとも見抜くことはできませんでした。まさに雰囲気、話術、天才的詐欺師でした。あんな人間が不動産取引に現れたら、私は見抜くことができるでしょうか? 今なら見抜けると思いますが、いやそう思いたいです。

詐欺的な投資話の見分け方

 これからも皆さんの前に前述のような天才詐欺師が現れることはないとは思いますが、詐欺的勧誘、特に詐欺的な投資話は繰り返しやって来ると思います。その簡単な見分け方をお伝えします。

(1)向こうからやって来る投資話には原則乗らない。

 うまい儲け話は、向こうから、それも無料でわざわざやって来ることはありません。芸能人やスポーツ選手がよく騙されるのは「自分が特別な存在だからこんなうまい話が集まるのだ」と100%の勘違いをしているからなのです。とにかく、向こうからメールや電話、DMでやって来るような話には乗らないことです。

 もしも皆さん自身が、ものすごい儲け話を持っていたとしたら、広く不特定多数の他人に話すでしょうか? さらには、こちらが経費を掛けて募集などするでしょうか? 証券会社が売っているような投資商品でも、旨味のあるように見えるものは(あくまでそう見えるだけですが)募集の経費をほとんど掛けずにすぐに完売してしまうものです。

(2)「絶対儲かる。100%損はしない」といった言葉を使う方の話は避ける。

 金融や投資を多少なりとも勉強したならば、この世に絶対うまくいく儲け話や100%リスクのない投資といったものが存在しないことは常識なのです。そうであるのにもかかわらず、この種の言葉を使うということは、その人間がまったくの素人であるか、または確信犯であるのは明白です。私ならその言葉が出た時点で席を立ちます。

(3)信頼できる兄弟や親友が持ってきた話でも信用しない。

 ビジネスにおいては、一般的にその話を誰がもってくるかで、その信憑性を判断することが多いです。私も同じです。しかし、実は、その親友や兄弟親戚もすでに騙されて信用しきっていることが多いのが、詐欺行為の怖いところです。これはまさに新興宗教の勧誘と同じ構図です。仮にあなたの恩人が持ってきたとしても、まがい物はまがい物でしかないのです。

(4)詐欺の被害にあっても諦めない。取り返せる時もある。

 私の知り合いが、ある巧妙な投資話を信じて約4億円を銀行から借金をして詐欺的な事業に投資してしまいました。騙した詐欺師はそれまでも有名芸能人を何人も騙してきたある意味プロでした。その人間の生まれの良さと高学歴だけは本当でしたが、事業計画はすべて架空のものでした。

 しかし、回収を諦めずに、あらゆる法的な手段も駆使しながら、数年かけてこの詐欺師から3億2000万円以上を取り返すことができました。幸運もありましたが、取り返すことを諦めないことが重要だと強く感じました。

 残念なことですが、不景気になると、その不景気につけ込んだ、かつタイミングをはかったような詐欺話が増えてきますので読者の皆様もご注意ください。この苦境をどうにか一発逆転できないかといった気持ちにつけ入ってくるのです。

(文=長谷川高/長谷川不動産経済社代表)

●長谷川高

長谷川不動産経済社代表。

東京生まれ。立教大学経済学部経済学科卒。

大手デベロッパーにて、ビル・マンション企画開発事業、都市開発事業に携わり、バブルの絶頂期からその崩壊と処理までを現場の第一線で体験。 1996年に独立。

以来、創業から一貫して顧客(法人・個人)の立場で不動産と不動産投資に関するコンサルティング、投資顧問業務を行う。また、取引先企業と連携して大型の共同プロジェクトを数多く手掛ける。

自身も現役の不動産プレイヤーかつ投資家として、評論家ではなく現場と実践にこだわり続ける一方で、メディアへの出演や執筆、講演活動を通じて、難解な不動産の市況や不動産の購入・投資術をわかりやすく解説している。

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