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DHC会長「在日韓国人」差別発言、発端はサントリー「鏡月グリーン」東海表記問題か

文=編集部
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DHC公式通販サイトより

 化粧品大手のDHCが公式サイト上に掲載した吉田嘉明・代表取締役会長名義の文章「ヤケクソくじ」について、インターネット上で「差別的」だとして炎上している。

 問題の文章は、吉田会長が健康機能性食品やサプリメントで競合するサントリーウェルネスに対する批判を展開する中で記載されていた。16日午後には、Twitter上で「#差別企業DHCの商品は買いません」がトレンド入りしたほか、マスコミ各社や著名人などから批判が噴出している。DHCは国粋主義的な主張でたびたび物議を醸してきたが、なぜ今回はここまでサントリーを敵視しているのか。関係者らに話を聞き、その背景を探った。

 吉田会長名義の文章で、問題とされる差別発言は以下の通り。編集部で一部伏せ字にして引用する。

「サントリーのCMに起用されているタレントはどういうわけかほぼ全員がコリアン系の日本人です。そのためネットでは●●●トリ―と揶揄されているようです。DHCは起用タレントをはじめ、すべてが純粋な日本企業です」

 ちなみに日本国憲法第14条には「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」とある。実際、吉田会長の主張するような事実はありうるのか。大手広告代理店関係者は次のように話す。

「CMで起用するタレントはスポンサーの意向を反映してキャスティングをします。スポンサーの好みの芸能事務所というのはあると思います。ただサントリーさんをはじめ、出身、出自でキャスティングを選んでいるという話は聞いたことがありません。

 そもそもCMというのはより多くの消費者に波及し、好感を抱いてもらうためにつくるものです。『この商品には、こういうタレントさんが一番映える』と自信と責任をもって制作します。そこに『純粋日本人のみ』とか『在日コリアンのみ』とかいう変なしばりがあったら良いCMはつくれません」

発端はサントリーの「鏡月グリーン」の「東海表記問題」?

 さらに今回の吉田会長の文章を分析してみる。吉田会長は自社サプリの価格や成分配合量の優位性を強調した上で、サプリの売上動向を専門に調査する矢野経済研究所のデータをあげ、自社がサントリーに売上金額で負けていることに不満を呈す。そのうえで、経済産業省中部経済産業局電力・ガス事業北陸支局地域経済課が実施した「利用している(利用したい)機能性食品メーカーはどこか」というアンケートのデータをもとに、「売上個数による市場浸透率」では自社が優位であることを主張し、サントリーなどが「DHCなら500円で売れるものを5000円近くで販売している」と批判している。

 全国紙生活経済部記者は吉田会長の主張を次のように分析する。

「そもそもアンケートのデータが北陸地方という限定された地域を管轄する中部経済産業局のものです。そのデータで全国規模の調査をしている矢野経済研究所さんと張り合うというのは若干厳しい気はしますが……。局地戦で勝利しても、戦争で敗北していることには変わりはないのではないでしょうか。自社のサプリメント事業の行く末に焦りを感じる発言だと思います」

 また、DHCテレビジョンが制作するインターネット配信トークバラエティ番組「ニュース女子」の制作関係者は次のように話した。

「そもそも吉田会長がお怒りになられたきっかけは、サントリーの『鏡月グリーン』のホームページ問題に端を発しています。

 2011年ごろ、同商品公式サイトにあった『鏡月グリーン ネーミングのひみつ』というコーナーがあり、商品名に関して『韓国・東海(日本海)に隣接した湖・鏡浦湖(キョンポホ)のほとりにある古い楼閣・鏡浦台(キョンポデ)で、恋人と酒を酌み交わしながら、そこから見える5つの月を愛でた詩に由来しています』との説明があったことを問題視したらしいです。いわゆる日本海の国際表記問題ですね。この手の国際問題と人種差別は、明確に分けるべきなのですが……」

メーカーの差別発言がもたらす消えない不信感

 大企業の差別発言は消費者に消えない不信感を植え付ける。今回、DHCに名指しされたサントリーもまた差別発言には苦い記憶がある。1988年2月28日に放送された「JNN報道特集」(TBS系)で、佐治敬三社長(当時)は東京からの首都機能移転問題に関して次のように発言した。

「仙台遷都など阿呆なことを考えてる人がおるそうやけど、(中略)東北は熊襲(くまそ)の産地。文化的程度も極めて低い」

 いわゆる「東北熊襲発言」だ。東北の地方紙記者は語る。

「当時は、仙台市内や盛岡市内のバーや飲み屋からサントリーのウイスキーが全部消えたくらいの反発があって、若かった私も含め激怒しました。もう30年以上前のことですが、お年寄りの中には『サントリーは絶対に飲まない』という人もいますよ。親から子へ語り継がれている話でもあり、若い子も地元出身者はアサヒやキリン、サッポロ派が多い気がします。今となっては鏡月グリーンなどサントリー商品をまったく飲まないということはありますが、今でも当時のことを思い出すとはらわたが煮えくり返ります」

 商品を多くの消費者に届けたいのなら、差別的な発言をやめるのに越したことはない。

(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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