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高級「ザ・トースター」世界販売100万台に…バルミューダ上場、異色家電ベンチャーの秘密

文=編集部
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 音楽に合わせ室内の光の量などを調節するワイヤレススピーカーや、ヘッドを360度回転できる掃除機などユニークな商品の品揃えを増やした。ポータブルLED(発光ダイオード)ランタンなども世に出している。空気清浄機などが韓国を中心に人気で、海外売上高比率は3割に達する。

 2020年12月期業績予想の売上高は前期比13.7%増の123.3億円、 純利益は30.6%増の8.2億円と増収増益の見通し。20年4月から北米で販売を開始した。現在100人あまりの社員の約半数が開発要員だが、新製品を出し続けるには人員を増やす必要がある。上場して株式市場から資金を調達する狙いのひとつが人材の確保にある。

上場会社になった後の経営課題は品質管理

 嗜好性が強いオーディオ機器やカメラと違って、家電製品は家事の負担を軽減したり、料理の手間を省いたりといった実用性が重視されてきた。国内の白物家電市場では、特定分野に強い専業が存在感を高めてきた。ロボット掃除機「ルンバ」の米アイロボットは5割強のシェアを持つ。英ダイソンは掃除機で、首位パナソニックに次ぐシェア(約19%)を握っている。

 こうした新しい潮流の中から台頭してきたのがバルミューダだ。その「家電業界の風雲児」が直面しているのが品質問題だ。加湿器や掃除機を商品化する過程で表面化した。現在、生産は中国メーカーなどに委託している。

 バルミューダは生産設備を持たず、製品を外部の企業に委託するファブレス企業だ。初期投資が少なくて済むビジネスモデルだが、品質を自社で徹底的にチェックできないという難点がある。17年2月、扇風機「グリーンファン」のリコール(自主回収・無償交換)を実施した。18年10月、最大のヒット商品である「ザ・トースター」をリコールした。19年6月にはオープンレンジの「ザ・レンジ」のリコールも発表した。

 上場で事業を拡大する。企業規模を拡大しなければつくれない製品があるのは確かだが、独創性や高い品質の確保を両立できるのか。今後も、万人受けは考えず、特定のユーザーを念頭に置いた製品作りにどこまで特化できるか、である。

 株式を上場後も、とんがった企業の良さを維持できるか。高級家電ベンチャーの経営手腕が問われることになる。

(文=編集部)

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