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木村隆志「現代放送のミカタ」

批判記事が飛び交う朝ドラ『おちょやん』低視聴率の“本当の理由”と杉咲花への期待

文=木村隆志/テレビ・ドラマ解説者、コラムニスト
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 もしキャスティングで難を挙げるとしたら、主人公の杉咲や毎田ではなく、助演たちではないか。千代の父・テルヲにトータス松本、継母・栗子に宮澤エマ、亡き母・サエに三戸なつめ。実際の演技力はさておき、主人公のアイデンティティに影響を及ぼし、子役時代の要となる両親を演じるにしては、視聴者からの信頼を欠く顔ぶれに見える。

 2週目から舞台を道頓堀・芝居茶屋に移しても、「岡安」女将・岡田シズの篠原涼子、先代女将・岡田ハナの宮田圭子はいいとしても、主人・岡田宗助に名倉潤、ライバル「福富」女将・富川菊にいしのようこ、喜劇界の帝王・須賀廼家万太郎に板尾創路、喜劇界のアドリブ王・須賀廼家千之助に星田英利と、朝ドラフリークたちを喜ばせるような人気俳優や演技派俳優とは言い難い。

 前作『エール』は、主人公・古山裕一(窪田正孝)の父に唐沢寿明、母に菊池桃子、伯父に風間杜夫、ヒロイン・関内音(二階堂ふみ)の母に薬師丸ひろ子、父に光石研、さらに柴咲コウも早々と出演していた。『スカーレット』も、主人公・川原喜美子(戸田恵梨香)の父に北村一輝、母に富田靖子、さらに財前直見、佐藤隆太など、人気俳優や演技派俳優を揃えていた。『おちょやん』も人気と演技の両面で、もう少し子役を助けられるキャスティングが必要だったのではないか。

 だからこそ女優として歩んでいくパートでは、杉咲を助ける人気と演技を併せ持つ助演俳優を揃えてほしい。

浪花色が濃くなりすぎるほど危険

 しかし、第3週に入って千代が17歳になり、杉咲が登場したことで視界が一気に開けた。千代はお茶子として立派に働き、その合間に芝居をのぞき見するなど、極めて明るく振る舞っている。さらに憧れの女優・高城百合子(井川遥)と出会い、芝居への道を勧められるなど、運命が大きく動き始めた。健気に奉公するだけでなく、自分の夢に向けて歩き出すムードが漂ってきたのだ。

「朝ドラの定番」だからこそ、ダメ親父のテルヲが再び足を引っ張ることは既定路線であり、その他にもさまざまな障害が立ちはだかるのだろうが、「杉咲が演じる千代なら大丈夫かな」と思わせられるのが大きい。

 この先、最初に芝居の師匠になる山村千鳥(若村麻由美)、あるいは大人になった運命の人・天海一平(成田凌)らとの出会いや再会が待ち受けている。ここでは詳しく書かないが、モデルとなった浪花千栄子さんの人生は公私ともに波乱万丈であり、杉咲にとっては真価を見せられれば、名実ともにトップ女優の仲間入りを果たすきっかけとなるかもしれない。

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