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西川立一「流通戦争最前線」

イオンの本気、コロナ感染防止策の全貌…極限まで除菌、スマホ事前注文・ロッカー受け取り  

文=西川立一/流通ジャーナリスト、マーケティングプランナー
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抗ウイルス建材や抗菌コーティングも導入

 ショッピングセンターにおいても、新たな感染防止策が取り入れられている。11月21日に開業した「イオンタウンふじみ野」(埼玉県ふじみ野市)では、カルテックの光触媒方式除菌機をフードコートや授乳室などを50台設置した。ダイキン工業が開発した、ウイルスを吸着するチタンアパタイトフィルターをショッピングセンターの共用部のエアコン全105台へ設置、菌やウイルスを吸着・抑制する。

 接触感染防止のため、テーブルやカウンターには、抗ウイルス建材を採用し、ドアノブや壁面には、ウイルスの繁殖を抑制する空気触媒コーティング、館内のすべてのエスカレーター手すりベルトには、EBC-500抗菌コーティングを施した。さらに混雑対策として今回初めてリリースした「イオンタウンアプリ」にて、混雑状況を知らせ、来館カウントシステムにより、常時在館人数を確認し状況により入場制限も実施する。商業施設が運営するアプリ内の機能では初めて、専門店の商品を事前に注文・購入できるモバイルオーダー機能も装備した。

イオンモール上尾」(埼玉県上尾市)では、スタッフとの接触を少なくするため、案内ロボットを導入した。

バーチャルの活用

 ネットの攻勢でリアル店舗はその存在意義が改めて問われている。新型コロナでリアルの強みのひとつであった接客サービスは感染防止という点から経営される傾向にある。そこで、バーチャルで代替する動きも活発化してきた。

 化粧品は美容部員によるコンサルティング販売が行われ、メイクなどを施して出来栄えを確かめられるが、バーチャルでメイク体験できる機器の導入も進んでいる。イオンリテールのヘルス&ビューティー「グラムビューティーク」では、コーセーの「ユーカムメイク」を「イオンスタイル上尾」の売場から導入を開始、リアルなメイクをしたような状態がバーチャルで簡単に再現できる。

 コロナの感染が収まっても、こうした新しいショッピング体験や感染防止策はニュースタンダードとなり、定着していくことが予想される。安全・安心を担保する施策はコスト増となるが、顧客の信頼を得、従業員の健康を守ることにもつながり、今後も新たな取り組みや展開が続々登場すると思われる。

(文=西川立一/流通ジャーナリスト、マーケティングプランナー)

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