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木村隆志「現代放送のミカタ」

『この恋あたためますか』恋愛ドラマの王道貫き見事な巻き返し…『恋つづ』との明確な違い

文=木村隆志/テレビ・ドラマ解説者、コラムニスト
『この恋あたためますか』恋愛ドラマの王道貫き見事な巻き返し…『恋つづ』との明確な違いの画像1
火曜ドラマ『この恋あたためますか』|TBSテレビ」より

 まもなく2020年も終わろうとしているが、TBS22時台の『火曜ドラマ』は過去最高の活況だったと言っていいだろう。

 まず『恋はつづくよどこまでも』が胸キュンシーンの連発でヒット作となり、次の『私の家政夫ナギサさん』はコロナ禍で放送開始が3カ月も遅れながら同枠最大のヒット作となった。続く『おカネの切れ目が恋のはじまり』は三浦春馬さんが亡くなるというアクシデントで4話に短縮されたものの、視聴率としては2桁を記録するなど上々の結果。

 そして10月スタートの『この恋あたためますか』は世帯視聴率こそ低迷が続いているが、中盤以降はメインターゲットとなる10~30代女性の視聴者層をつかんでいるほか、ツイッターのトレンド1位を連発しているという。そもそも、連ドラ初主演で19歳の森七菜を主演に抜擢し、漫画作品の多い同枠でオリジナルに挑んでいることも含めて、大成功とは言えなくても及第点の結果を出せているのではないか。

 同作の「若手女優と30代イケメン俳優の格差恋愛」というコンセプトは『恋はつづくよどこまでも』と似たものであり、同作同様に胸キュンシーンも要所で挿入されている。言わば、『恋はつづくよどこまでも』の成功法則に沿う形でプロデュースされた作品なのだが、なぜこれほどの差が出てしまったのか。

 さらに中盤以降、見事に巻き返した要因と、気になる最終話の行方にも触れていきたい。

騒がしいヒロインと遠すぎる関係性

 まず序盤から中盤にかけて、なぜ同作は「『恋はつづくよどこまでも』ほど盛り上がらなかったか」について。

 ひとつ目の理由は、ヒロイン・井上樹木(森七菜)が騒がしくガサツで、周囲の人物から浮いたキャラクターだったこと。「アイドルグループをクビになる」「SNSで鋭いスイーツ批評をしている」「物言いが乱暴で社会人の常識に欠ける」など共感しづらい設定が目立っていた。

 一方、周囲のキャラクターは、合理主義者の「ココエブリィ」社長・浅羽拓実(中村倫也)、スイーツ開発を支える温厚な新谷誠(仲野太賀)、スイーツ開発に挑むがまだ商品化されたことがない北川里保(石橋静河)、スイーツ課の課長として商品化を実現させてきたキャリアウーマンの一岡智子(市川実日子)、浅羽からココエブリィを守ろうとする同社叩き上げの神子亮(山本耕史)、さらに上杉和也店長(飯塚悟志)を筆頭に「ココエブリィ上目黒店」のメンバーも含め、いずれも地に足のついた人物ばかりであり、演じる俳優たちも演技巧者が揃っている。

 つまり、ヒロインだけ騒がしく浮世離れしたキャラだったため、「悪目立ちして感情移入しづらい」という難点があったのだ。しかし、樹木はココエブリィのスイーツ開発に携わるようになり、仕事、礼儀、対人関係などに成長の跡が見られ、浅羽への恋心を確信したあたりから魅力的な女性となっていった。

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