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ノジマやパソナも…企業や自治体、JAL・ANA社員出向受け入れの“特別待遇”の理由

文=編集部
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パイロットやCAが医療用ガウンを作成

 ANAHDと奈良県内で縫製工場を運営する合同会社ヴァレイは20年5月18日から、ANAグループの訓練施設(トレーニングセンター)東京都大田区にある「ANA Blue Base」で、新型コロナウイルスを防ぐために需要が高まる医療用ガウンの製作を始めた。ヴァレイが厚生労働省から受注した医療用ガウン約10万枚のうち、半分にあたる約5万枚がANAグループの協力のもとにつくられた。ヴァレイの縫製職員の指導のもと、ANAグループの社員はガウンの紐の縫製や検品作業など、作業工程全体の3割程度を担当した。

 ANA、ローカル線を中心に運航するANAウイングス、羽田空港の地上業務を担っているANAエアポートサービス3社を対象にボランティアを募集したところ、120人の募集に対して800人を超える応募があったという。パイロットやCA(客室乗務員)、地上係員や運航管理を行うフライトオペレーションスタッフ、間接部門の本社スタッフなど幅広い職種の人が参加できるよう、部門ごとのバランスに配慮した。

 ANAグループはトライキッツ(東京都大田区)が製作する医療用フェイスガードについても、ボランティアが製作に協力した。ガウンは6月末まで、フェイスガードは5月21日まで、それぞれ作業を行った。

雇用の維持と人件費の削減を両立させる新しい働き方を提案

 ANAHDは成田、羽田空港に所属するCA約8000人を対象に、勤務日数や居住地を選べる新たな働き方を労働組合に提案した。国内線、国際線に両方搭乗する現在の働き方のほか、勤務日数を従来の半分にして国内線だけにするタイプ、勤務日数を同5~8割とし国際線だけに乗務するやり方を選べるようにする。21年4月からの2年間の時限措置。給与は勤務日数が5割の場合は従来の半分程度、8割とした場合は75%程度となる。給与はダウンするが、副業や地方での定住などがやりやすくなる。CAは羽田空港と成田空港から100キロメートルを超える場所には住めなかったが、これからは住めるようになる。

 ANAHDは、「世界の航空需要がコロナ前の水準に戻るのは2024年」と見込んでいる。感染が収束すれば旅客需要は戻るとみて、大規模な人事削減は実施しない方針を示している。その間を、どうやって切り抜けるかだ。固定費の約3割を占める人件費の削減は急務だ。同時に、雇用の維持は重要な経営課題である。

 時限的な新制度は、人件費を抑制し、多様な働き方を認めることで雇用の確保を図るという、苦肉の策といえなくもない。

(文=編集部)

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