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木村隆志「現代放送のミカタ」

『監察医 朝顔』が第1シーズンより停滞している理由…2クール放送の弊害と再浮上のカギ

文=木村隆志/テレビ・ドラマ解説者、コラムニスト
『監察医 朝顔』が第1シーズンより停滞している理由…2クール放送の弊害と再浮上のカギの画像1
監察医 朝顔 – フジテレビ」より

「33年の歴史で月9ドラマ初の2クール放送」を掲げ、しかも「年末年始の中断期をはさむ」という強気の策に出た『監察医 朝顔』(フジテレビ系)の前半戦が、12月28日放送の第9話で終わろうとしている。

 強気の策に出たのは、昨夏に放送された「第1シリーズの世帯視聴率が全話2桁を達成した」ほか、「続編を望む声などの称賛が約1000件も寄せられた」などの結果が出たからだろう。しかし、ここまでは第7話で世帯視聴率の連続2桁が途絶えたほか、SNSなどのコメントには「前作の方がよかった」「見るのをやめようと思う」などの厳しい声も目立つ。

 2クールの折り返し地点となる第9話が放送されるタイミングで、前シリーズよりも停滞している理由と、再浮上のポイントを探ってきたい。

法医学と家族のバランスに異変

 前シリーズがヒットした最大の要因は、「法医学ドラマとしてのクオリティが高いから」ではなく、「主要人物と作品の世界観が魅力的だったから」だろう。

 当作はさまざまな事件や遺体と真摯に向き合う万木朝顔(上野樹里)の奮闘をベースにした作品だが、同等以上に支持されているのは、父・平(時任三郎)、夫・桑原真也(風間俊介)、娘・つぐみ(加藤柚凪)を含めた4人家族の穏やかであたたかいムード。つまり、法医学パートと家族パートの2軸を楽しめる上に、家族パートの穏やかであたたかいムードが法医学パートにも浸透していることが人気につながっているのだ。

 法医学パートと家族パートの主従関係はなく、いい意味で曖昧。法医学だけがテーマのドラマと比べると事件や遺体の掘り下げ方は浅いが、それ以上に家族パートで楽しませてくれるため、視聴者は物足りなさを感じることはない。

 その点で第2シリーズのここまでを振り返ると、家族パートの内容が乏しく、首をひねりたくなるようなシーンが散見された。

 まず前シリーズ同様に「行方不明の母・里子(石田ひかり)を探すものの、手がかりは見つからない」というシーンが繰り返されていること。その後、ようやく祖父・浩之(柄本明)が里子の歯を持っているシーンが映されたが、それをなかなか朝顔に見せずにじらすなど、物語を進めようとしなかった。

 一方、夫の桑原には「浮気疑惑が浮上し、さらに殺人事件の容疑者になってしまう」という、これまでにない過激な展開を用意。その他にも、「つぐみが突然『弟がほしい』と言い出す」「桑原の姉・忍(ともさかりえ)が新米刑事として現れる」などの唐突なシーンが目立つなど、「無理矢理にでも家族パートをねじ込んでいる」という印象を抱かせてしまった。

 また、平は転出届を出して東北へ移住してしまい、桑原は発砲の責任を問われる形で長野へ転勤し、浩之は体調不良で入院……。「朝顔とつぐみ以外、家族がバラバラになってしまった」という展開は諸刃の剣と言える。

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