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西山美紀「貯蓄スキルの高め方」

毎月のスマホ代から転職&副業まで…年末年始にやっておきたい「お金の4つの棚卸し」とは

文=西山美紀/マネーコラムニスト
毎月のスマホ代から転職&副業まで…年末年始にやっておきたい「お金の4つの棚卸し」とはの画像1
「gettyimages」より

 コロナ禍により、生活様式や収支に大きな変化があった2020年。年末年始は、いつもより自宅でゆっくりする時間が多いかもしれません。そんな時期におすすめしたいのが、「お金の4つの棚卸し」です。2021年をよりよい年にするために、ぜひお金まわりの棚卸しをしながら計画を立てていきましょう。

1.「自分の固定費」の棚卸し

 2020年はイレギュラーな出費が多かったことと思います。ですが、毎月一定額を支払い続けている「固定費」の中で、知らず知らずのうちに出ていってしまっているお金はないでしょうか。固定費には、スマホ代、電気代、保険料、ジムやオンライン英会話などの習い事代、ネットなどのサービス代(サブスクリプションサービス系)などが挙げられます。

 これらの出費は、銀行の自動引き落としやクレジットカード払いなど、キャッシュレスを利用することが多いもの。まずは通帳を記帳して(ネット銀行を利用している方は入出金履歴にアクセスして)、じっくり眺めてみましょう。

 また、クレジットカードの明細書も見てみましょう。紙ではなくウェブ明細に切り替えて、「そういえば毎月見るのを忘れていた!」という方も多いかもしれません。IDやパスワードを忘れている人は、早めに再手配をしましょう。

 そして、それぞれの出費の要不要を考えてみます。スマホ代の場合、月に1万円以上かかっている人は、格安SIMへの切り替えで2000~3000円程度に下げることも可能です。最近はさまざまな格安プラン等が出てきましたので、年末年始にじっくり調べて検討してみるのもいいでしょう。

 電気代は、電力会社を切り替えることで、いつもと同じように電気を使っても安くなる可能性が高いです。「エネチェンジ」などのサイトを見て、自分の利用状況を入力し、安い電力会社がないかを確認してみましょう。

 また、現在支払っている保険料も本当に必要な出費かどうか、再確認をおすすめします。もし「そういえば、そもそもなぜこの保険に入っているのかわからない……」というものがあれば、条件に該当した際に手続きができず、保険金が受け取れないかもしれません。いざというときにきちんと保険金がもらえるように、家族などにも共有しておきたいですね。

 習い事やサブスクリプションサービスについては、お金を出す価値があるかを改めてチェックしてみてください。契約から2、3カ月のうちはがんばっていても、途中からやめてしまっているというケースもあるでしょう。何も利用していないのにお金を払い続けていたら、もったいないこと。今後も続ける気持ちがあるか、さらには続ける意味があるかを確認。やめれば無駄な出費が抑えられますし、考えた結果続けようと思ったら、さらに気合いが入ると思います。

2.「流動費の一部」の棚卸し

 固定費の次は、流動費を見直すことをおすすめします。流動費とは、固定費とは違って、気分次第で金額が変わる出費のこと。とはいえ、すべての流動費を確認するのは大変ですので、「食費」「ネットショッピング」くらいに絞って確認することで、まずは効果があると思います。

 まず食費は、どんなものにお金をかけているか、その内容とともに1週間分くらいを確認してみましょう。コンビニなどでちょこちょこ買っていて、トータルの出費が膨らんでいても、もし満足感がなければ見直してもよいかもしれません。たとえば、週末に1回だけ料理をして、いつもの2倍、3倍多めにつくっておけば、冷凍保存をして後日2回、3回分のおかずにできれば、セーブにつながります。自炊なら食塩や糖分、保存料などの過多を防ぐこともできて、健康にもよさそうですよね。

 次に、ネットショッピングの確認です。amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどの、よく使うECサイトの履歴を改めて確認してみましょう。「そういえば、この買い物は失敗だった」というものがあったら、次に同じ失敗をしないように心に留めておきましょう。また、送料無料になるように、ちょうどよい金額のものをプラスして買ったけれど、結局使っていないというものはないかもチェックしてみてください。

 このように、少し時間がたってから俯瞰して眺めてみると、自分にとっての「よかった買い物」「よくなかった買い物」が浮き彫りになると思います。2021年は「よかった買い物」の割合が増えるように、意識したいですね。

3.「貯める仕組み」の棚卸し

 お金まわりで一番気になるのが「貯蓄」でしょう。これについては「貯める仕組み」の棚卸しをしていきましょう。なぜなら「がんばって貯めよう」と努力をしても、なかなか続かないから。貯まるような「仕組み」をつくることが、貯蓄ができるかどうかの大きな分かれ目になるのです。

 さて、あなたは「貯める仕組み」があるでしょうか。それは、トータルで月にいくらくらいでしょうか。財形貯蓄や自動積立定期預金などのほか、つみたてNISAiDeCoなどがあれば、合計で月にどれくらいになるかを計算してみましょう。2020年でどれくらい増えたかも、チェックしてみてください。

 そうした「貯める仕組み」がまったくない方は、まずは財形貯蓄や自動積立定期預金などを始めることをおすすめします。一部のネット銀行では、メガバンクなどから毎月一定額を無料で送金することができる「自動入金サービス」がありますので、そちらを利用してネット銀行に貯めていくのもいいですね。

「貯める仕組み」がすでにできている方は、つみたてNISAなどを検討するのも手です。長い目で考えて世界経済などの波に乗るために、世界中の株に投資するようなタイプの投資信託を積み立ててみてもいいでしょう。ネット証券などでは月100円から積み立ても可能なので、まずは小さい金額から試してみてはいかがでしょうか。ただし、投資する際には元本割れの可能性もありますので、小さな金額から始めることをおすすめします。

 毎月少しずつでも貯めて、5年、10年と続いていくことで、大きなお金になります。月1万円なら、5年後に60万円、10年後に120万円ですよね。5年後、10年後に自分が好きなことに使えるように検討してみてください。

4.「収入とキャリア」についての棚卸し

 前述の3つに加えて、この年末年始でぜひ棚卸しをしたいのが「収入とキャリア」についてです。自分のこれまでの収入とキャリアについて、一度振り返ってみることをおすすめします。

 コロナ禍により、今年は収入が減ったという方も多いと思います。その収入の、今後の見通しについて考えてみましょう。今後下がっていくことが見込まれれば、転職を検討したり、現在のお仕事を続けながら副業による副収入を得る手立てを考えたりを、年末年始の時間があるときにしておきたいですね。

 また、あわせて自分のキャリアを振り返ってみましょう。今の仕事は自分に合っているか、やりたい仕事ができているか、キャリアアップはしているか、昇給や残業(仕事時間)、ボーナスなど含めて、自分の希望と合っているかを今一度考えてみてください。

 以前は、転職活動の際に半休などを取り、こっそり面接に行く、なんていうこともあったかと思いますが、2020年に一気にオンライン化が進み、キャリア相談や転職の際の面接もオンラインでできるケースが増えてきているようです。転職や副業などを含めて、さまざまな可能性を考えてみることも、時間がある年末年始にやっておきたいところです。

 いい転職ができればよいですし、それだけでなく、他社のことを調べてみたり、実際に面接を受けたりすると「今いる会社も、意外と悪くないな」と思うこともあるもの。転職活動をした結果、今の会社にとどまるとしても、前向きな気持ちで仕事ができるようになるかもしれません。

 以上、年末年始にぜひやっておきたい「お金の4つの棚卸し」について、お伝えしました。忙しいときは目の前のことで一生懸命になり、なかなかゆっくりと自分の身の回りのことや将来のことを考えることはできないもの。時間がある年末年始に、ぜひ時間をつくって試してみてください。

(文=西山美紀/マネーコラムニスト)

西山美紀/マネーコラムニスト・ファイナンシャルプランナー

西山美紀/マネーコラムニスト・ファイナンシャルプランナー

出版社勤務後、2005年に独立し、FP資格を取得。単に貯蓄額を増やすのではなく、うるおいのある毎日のためのお金の使い方・貯め方について発信。Oggi、ミモレ、マリソル、LEE、日経DUALなどの女性誌・WEB等でマネーコラム連載、取材・執筆・監修等。著書に『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)、『はじめての積立投資・つみたてNISA・iDeCoもよくわかる!お金の増やし方』(主婦の友社)等。

Twitter:@writerN1225

『お金が貯まる「体質」のつくり方』 お金が貯まるかどうかは、年収の差だけではなく、お金の使い方や日々の生活習慣などの「体質」にありました。ストレスなく、幸せになりながらお金が貯まる人になるシンプルな習慣と考え方について紹介。人生をより豊かに、自由に生きるための37のコツをお伝えしています。 amazon_associate_logo.jpg

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