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「加谷珪一の知っとくエコノミー論」

今回のビットコイン高騰が、前回のバブルと様相が異なる理由…有力な投資対象として認知

文=加谷珪一/経済評論家
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 電気自動車(EV)メーカーのテスラもビットコインに関連して興味深い動きを見せている。同社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、自社資産の一部をビットコインで保有することについて、著名な仮想通貨推進者とツイッター上で議論した。

 マスク氏はあくまで仮定の話として議論をしただけだが、機関投資家が投資対象として認知した資産について、事業会社がポートフォリオの一部に組み入れることを検討するのは何ら不思議なことではない。今後は関連事業への参入や、財務上の選択肢のひとつとしてビットコイン保有を検討する企業が増えてくるだろう。

金の一部を代替するのなら、価格はまだ上昇する?

 では、ビットコイン価格は今後、どこまで上昇するのだろうか。もちろん相場に関する事なので、「何円になる」と予言することは不可能だが、参考になるデータはある。

 ビットコインの設計は金本位制に近く、発行総量の上限が設けられている。実際、投資家の多くが、ビットコインについて、法定通貨の価値毀損をヘッジする手段として捉えているので、金に近い役割が期待されていると見てよいだろう。そうであれば、金の時価総額はひとつの判断材料になる。

 これまで全世界で採掘された金の総量は19万トンといわれている。工業用途に使われる金もあることや、宝飾品として販売され、行方がわからなくなっている金もあるので、実際に価値保全の機能を持った金の量はもっと少ないと考えられる。だが、仮に19万トンを基準にした場合、金全体の時価総額は約1000兆円となる。

 現在、ビットコインの時価総額は45兆円に達しているので、すでに金の時価総額の4.5%に達している計算だ。ビットコインが金を代替するとは到底考えにくいが、金の時価総額の1割を担うとしても、また上昇余地があるとの計算が成り立つ。

 相場は期待感などさまざまな要因で形成されるので、価格を予想することにほとんど意味はないが、理論上はこうした考え方が成立する。仮想通貨が新しいフェーズに入ったことだけは間違いなく、金融市場の多様化に大きく貢献することになるだろう。

(文=加谷珪一/経済評論家)

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