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菅政権「スマホ免許証」計画が危険かつ不便極まりない…苦肉のマイナンバーカード普及策

文=明石昇二郎/ルポライター

 災害発生時に、電波が届かなくなる事態にも備えておく必要がある。スマホ自体は壊れていなくても、携帯電話の中継基地が地震や津波、台風などで破壊され、スマホが使えなくなる事態は近年、日本のそこかしこで毎年のように発生している。そんな心配までしなければならないシロモノを、いったい誰が欲しいと思っているというのだろう。

 こうした心配は、現行の運転免許証であればする必要がなかった。しかし「スマホ免許証」時代が到来すると、本稿で指摘していないような予期せぬ事態や、未知の社会問題まで出現する恐れがある。それに立ち向かい、責任を全うする覚悟が、菅政権にあるのだろうか。

“おまけ”の普及に注ぎ込まれる1001億円

 そもそも「マイナンバー」事業は、12桁の番号を国民すべてに割り振ろうというもの。かつては「国民総背番号制」と言われ、国民からの評判は芳しくないものだった。しかし、実を言うとその作業はすでに終えている。身も蓋もない言い方をしてしまえば、「マイナンバーカード」事業や「スマホ免許証」案は、マイナンバー導入のための“おまけ”でしかない。

 それでも菅義偉政権は、マイナンバーカードの取得促進のため、来年度予算案で1001億円もの大金を割くつもりなのだという。一方、菅首相と杉田和博官房副長官による会員任命拒否で世間の注目を集めた日本学術会議に充てられる国の予算は、年間およそ10億円。マイナンバーカード取得促進の予算は、学術会議予算の実に100年分である。

「マイナンバーカード」や「スマホ免許証」を導入することで、いったい誰が得をし、どんなメリットを享受できるようになるというのか。本気でマイナンバー制度を日本に定着させようと思っているのなら、「マイナンバーカード」や「スマホ免許証」の普及を急ぐのは考え直したほうがいいと心から思う。

(文=明石昇二郎/ルポライター)

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