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小谷寿美子「薬に殺されないために」

市販の禁煙パッチ&ニコチンガムで禁煙は困難?本気なら「禁煙外来」通院が確実&近道

文=小谷寿美子/薬剤師
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「Getty Images」より

身勝手な使い方をされる禁煙パッチ

「飛行機に乗っている間だけもてばいいので、禁煙パッチをください」と薬局へ来る方がいます。正直でよろしいのですが、それを聞いてしまった以上は薬局薬剤師の立場上、販売しにくくなります。「明日の出張の時だけ使いたいので禁煙パッチをください」という方もいます。「禁煙パッチは8週間毎日使い続けて禁煙による離脱症状を和らげるものですよ」と説明しても、聞く耳を持ってくれません。そして「こんなに使うのですか?」「こんなに高いものは無理です!」と言って帰っていきます。一時しのぎに薬を使いたいという方が多く、残念ながら「本気で禁煙したい!」という方が少ないのです。

 この禁煙パッチが発売された当初は本気で禁煙したいという方が多く来ていたのですが、「いつでも買える」「いつでも使える」現在はそうではないようです。こうした事例は私が担当したもののみですが、身勝手な使い方をする人は少なからずいるということです。

何かを得るには何かを犠牲にしなくてはならない

 普段タバコを吸っている方は、タバコを吸うことで何かを得ているのです。そして、タバコを吸うことで時間とお金を犠牲にし、自らの健康を犠牲にしています。ビジネスパーソンにとって「時間」は本当に大切なもので、1分あればかなりの作業をこなせて、新しい人間関係さえ築けます。それを犠牲にしても得たいものがあるのです。

「時間がない!」と残業をする皆さんが、この1分でも仕事に充てたいと思うのは当然のことです。しかし、それを犠牲にしても得たいことがあるわけです。私が入社したての頃の話ですが、ドラッグストアのスタッフは喫煙者が多く、午前中だけで3回くらい持ち場から離れて吸いに行っていました。その間は残されたスタッフで店を切り盛りするのです。もしかしたらタバコを吸いに行くという大義名分で「仕事をさぼれる」という利点を得ているのかもしれません。「集中力を得る」という利点を得ているのかもしれません。その真意は本人にしかわからないのです。

 また、「ニコチネル」などのサイトを使えば、タバコを吸うことで今まで犠牲にしてきたお金を試算できるようになっています。金欠のビジネスパーソンでも、こうした金額を犠牲にしてでも得たいものがあったということです。タバコを吸うという行動において、得るものと犠牲にするものがあります。これらをしっかり明らかにするというのは、ビジネスパーソンにとって「己を知る」ことにつながります。

タバコをやめることで、何かを犠牲にしなくてはならない

 今までタバコを吸っていた方にとって、やめることで何かを犠牲にしなくてはなりません。一番確実な方法は「禁煙外来」に通うことです。病院に行くのです。ビジネスパーソンにとって、通院の日程調整という大きな犠牲を払います。そのかわり処方された薬を飲むことによって、脳に「吸いたい気持ちがなくなる」「タバコがおいしくなくなる」「タバコが嫌いになる」という効果が出ます。こんな嫌な思いをするくらいなら、やめたほうがマシになり、結果として禁煙に成功します。

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