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箱根駅伝、青学・東海・駒澤の3強対決が有力?大穴は明大、”古豪復活”の可能性

文=酒井政人/スポーツライター
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「Getty Images」より

 もうすぐ東京箱根間往復大学駅伝競走(通称:箱根駅伝)がやってくる。

 今季は新型コロナウイルスの影響で10月の出雲全日本大学選抜駅伝競走(出雲駅伝)は中止となったが、11月の全日本大学駅伝対校選手権大会(全日本大学駅伝)は大いに盛り上がった。1~7区は順天堂大学、城西大学、早稲田大学、東海大学、青山学院大学がトップを奪う大混戦。最終8区は”3強”と呼ばれた青学大、東海大、駒澤大学が優勝争いを繰り広げた。

 今大会も前回覇者の青学大、同2位で全日本2位の東海大、全日本を6年ぶりに制した駒大の”3強対決”が有力視されている。

 しかし、まだまだ注視しておきたい大学がたくさんあるので、紹介したい。まずは3強を追いかける一番手となる明治大学だ。

 前回は17位から6位に大躍進。そのメンバーが8人残り、全日本は3位に食い込んだ。トップを奪えるようなエースはいないが、チームは粒ぞろい。エントリー上位10人の1万m平均タイムは28分31秒78で、駒大(28分26秒81)に次ぐ2位につける。しかも前回5区5位の鈴木聖人(3年)、同6区には今回のエントリーで”最速タイム”の58分48秒で好走した前田舜(4年)という経験者もいる。

 穴のないチームだけに、優勝ラインが下がってくるとビッグチャンスをつかむ可能性がある。明大は第1回大会から参戦して、7度の総合優勝を誇る古豪。最後の栄冠は1949年(昭和24年)だ。今回勝つことができれば、72年ぶりの歓喜となる。

 レースを動かすという意味では、早大と東洋大学は”突破力”が期待できる。

 早大は前回7位メンバーから2人が卒業しただけで、全日本は1~3年生で参戦して5位に入った。チームを引っ張るのが日本選手権1万mで27分台に突入した中谷雄飛と太田直希の3年生コンビだ。全日本は3区中谷が区間賞の走りでトップに立つと、4区太田は区間2位(区間新)。一気に加速して、6区の途中までトップを駆け抜けた。

 ふたりは1~4区での起用が濃厚。前半区間では「W」のユニフォームが目立つだろう。4年生は11月21日の早大競技会1万mで宍倉健浩が28分16秒95をマーク。前回5区を務めた吉田匠(4年)もエントリーされた。最上級生が奮起すれば、全日本以上の結果が見えてくる。

 東洋大は前回、12大会連続となる「3位以内」を逃して10位に沈んだ。しかし、1~4区に1・2年生を起用した全日本は、6区終了時点でトップと20秒差と善戦。7区のエース西山和弥(4年)が区間11位と苦戦しながら6位に入っている。前回は1区で14位に終わった西山だが、今季は1万mで28分03秒94の自己新をマーク。1区で区間賞を獲得した1・2年時以上の強さを身に着けた。

 そして5区には「山の神」にもっとも近いといわれる宮下隼人(3年)が控えている。前回は1時間10分25秒の区間記録を樹立。今回は先輩・柏原竜二以来となる連続区間賞を狙っている。エース西山が本領を発揮できれば、山で劇的ドラマが待っているかもしれない。

 予選会校では順大中央大学に注目したい。予選会は陸上自衛隊立川駐屯地のフラットコースのみで行われたこともあり、順大が歴代最速タイムの10時間23分34秒でトップ通過。中大も2位で悠々と通過している。両校に共通するのは選手層が厚く、スーパールーキーを擁していることだ。

 エントリー上位10人の1万m平均タイムは順大が6位(28分47秒19)、中大が4位(28分38秒64)。そして、順大は3000m障害で41年ぶりの学生記録、37年ぶりのU20日本記録となる8分19秒37(日本歴代2位)を打ち立てた三浦龍司。中大は5000mで15年ぶりにU20日本記録を更新して、日本選手権で自己新の13分25秒87を出して3位に食い込んだ吉居大和という東京五輪・パリ五輪の星が輝いている。

 三浦と吉居は箱根予選会で激突しており、そのときは先行する吉居を三浦が終盤に逆転した。三浦はハーフマラソンU20日本最高の1時間1分41秒で日本人トップ、吉居はU20日本最高タイの1時間1分47秒で走破している。ふたりは1区で再選する可能性もあり、世界を狙うスピード感を楽しむことができるだろう。なお順大は「5位以内」、中大は20年ぶりとなる「3位以内」を目標に掲げている。

 前回は東京国際大学と創価大学がそれぞれ5位と9位に入り、初のシード権獲得を大学最高順位で飾っている。東京国際大、創価大、国士館大学、拓殖大学は強力なケニア人留学生の2区起用が濃厚。1区で好位置につけることができれば、3~4区まで上位争いに絡んでくるだろう。

 優勝争いだけでなく、10位までに与えられる”シード権争い”も壮絶だ。10区間217.1kmのドラマは、どこにヒーローがいるかわからない。シューズの進化もあり、1万m平均タイム、箱根予選会、全日本大学駅伝はいずれも過去最高レベルだった。条件に恵まれれば、今大会も”記録ラッシュ”に沸くはずだ。コロナ禍の新年は、自宅のテレビ観戦で学生ランナーたちの熱気を感じよう。

酒井政人/スポーツライター

酒井政人/スポーツライター

学生駅伝ネタを中心に執筆。主な著書に『ナイキシューズ革命“厚底”が世界にかけた魔法』『箱根駅伝ノート』『東京五輪マラソンで日本がメダルを取るために必要なこと』など。

Twitter:@gakusei_ekiden

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