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公安警察「ゼロ」の“極秘任務”…市民活動・自衛隊・メディア・右翼団体などを監視

文=新日本帝國/政治・社会ジャーナリスト

 また、自衛隊関係者や駐在武官などが頻繁に出入りする各国大使館から自衛隊内部の機密情報が軍事情報誌などを刊行する出版社を経由して流出することが多いため、公安警察はこういった出版社に出入りしている要注意人物をリストアップして、行動を徹底的に監視します。

 自衛隊でも陸上幕僚監部運用支援・情報部別班や自衛隊情報保全隊などの諜報・防諜部隊を編成しており、隊員の思想調査だけでなく反自衛隊活動を行う民間人なども監視対象としています。

形骸化する公安調査庁

 なお、法務省の外局である公安調査庁とは別組織です。

 公安調査庁は、公安警察に付与されているような逮捕権や強制捜査権限を有さず、あくまで情報収集による調査にとどまるのに対し、公安警察はそれに加えて、事後的な犯罪捜査も任務とする点が異なります。

 破壊活動防止法や団体規制法の規制対象に該当する団体であるかどうかの調査(情報収集)と処分請求を行うお役所であり、調査活動の過程で入手した情報を分析・評価し、政府上層部に提供しています。

 ただし、公安調査庁次長と、公安警察を統括する警察庁警備局長は、ともに国内の情報機関が集う合同情報会議(ほかに、内閣官房内閣情報調査室、外務省国際情報統括官組織、防衛省情報本部)の構成員であり、法律により公安調査庁と警察は協力関係にあるとされていますが、実際は法務省キャリア官僚、警察庁キャリア官僚の不仲や局長職以上はポスト争いの為、刑事、警備部門間の協力意識は皆無で縦割りのお役所仕事の悪い見本そのものを呈しています。

 ですから、Twitterで反政府運動をする者などのツイに公安調査庁のアカウントにメンションをつけてRTを行う人もいますが、まったく意味がありません。

 公安調査庁は破壊活動防止法対象団体組織の調査・情報収集を行う程度の組織で、情報収集能力も公安警察にはまったく及ばず形骸化し、民主党政権時の事業仕分けでは廃止候補に上がったほどですし、調査資料提供を公安警察に命じても、自分たちが足で稼いだ情報を「むざむざ渡すもんか」と公安警察では言うほどの不仲でもあります。

 警視庁公安部の場合、管轄を超え全国にまたがり調査・情報収集を行います。主な調査監視対象は以下の通りです。

極左暴力集団(極左系市民団体含む)

右翼団体(行動する保守含む)

政治団体(日本第一党など)

政党(日本共産党など)

特殊組織(新宗教、セクト)

外国政府による工作活動(北朝鮮による日本人拉致など)

経済制裁が科されている国への不正輸出

軍事転用可能な物、及びその可能性のある物の密輸

公的機関やインフラ企業を狙ったサイバー攻撃

国際テロリズム

警察内部の防諜

自衛隊内部の「右翼的な思想を持つ隊員」への監視

皇族の身分を詐称する人物(有栖川宮詐欺事件など)

 主な担当部署は次の通りです。

公安総務課(日本共産党、反戦デモ、市民活動、反グローバリズム運動、カルト・セクト)

公安一課(日本赤軍、極左、新左翼過激派)

公安二課(労働紛争議、革マル派)

公安三課(陸上自衛隊、右翼団体、保守系団体、日本第一党)

公安四課(資料・統計)

外事一課(欧米・ロシア・東ヨーロッパの工作活動や戦略物資の不正輸出)

外事二課(中華人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国の工作活動、戦略物資の不正輸出、日本第一党幹部)

外事三課(国際テロリストや、中東地域のスパイ)

サイバー攻撃対策センター(サイバー攻撃特別捜査隊)

公安機動捜査隊(NBC(Nuclear、Biological、Chemical)テロ捜査隊)

※令和3年4月より外事二課より北朝鮮担当が外事三課に現在の外事三課が外事四課になります。

 例えば日本共産党は公安総務課担当の常時調査監視対象として所属議員のみならず党員や民青、民商、都道府県土建やその家族の動向、嗜好、交遊録をも調査、常に新たな人的接点や行動パターン把握のため「政治的活動時」における絶対的捜査権限を公安が主張し、選挙期間中における選挙違反検挙は本来、捜査二課の担当でありますが、共産党には捜査二課の捜査権限が一切ないのです。

 特に公安総務課は囲い込み傾向が強く、よほどの刑事事件でない限り刑事警察にその捜査権限を与えようとはしません。

貧弱な沖縄県内の公安警察の体制

 一方、沖縄県内においては、県警には独立した公安部を持たず、沖縄県警本部警備部が公安業務を受け持っており、以下のような部署があります。

警備第一課

警備第二課

外事課

機動隊

特殊部隊(SAT)

国境離島警備隊

 先述のとおり、捜査指揮権は「警察庁警備局」のゼロにあり、その指示でのみ動きます。

 その他、活動家や団体が沖縄入りしているために警視庁公安部、大阪府警公安部、さらに公安調査庁(那覇に公安調査事務所を持つ)までが介入し個別諜報を行っていますが、逮捕行為などにより他組織の捜査計画に抵触する事をけん制し合った結果、活動家らに対しての情報収集のみに各々が終始してしまっているのが現状です。

 以前にも守備範囲の重なる公安警察からは「調査目的で警察がマークしている捜査対象者に公安調査庁が接触し、警察やマスコミの動きなど、捜査対象者を利するようなことを平気でしゃべり、結果、捜査対象者が逃亡することもしばしば起こっており、一体、誰に雇われているのか」と批判も出ています。

 その公安調査庁の2017年度版「内外情勢の回顧と展望」では、中国の大学やシンクタンクが、沖縄で「琉球独立」を唱える団体との交流を行っていることについて、「中国に有利な世論を形成し、日本国内の分断を図る戦略的な狙いが潜んでいる」と指摘しています。では、いったい沖縄ではどのようなことが起こっていのか。次回は警察の軋轢やマスコミの機能不全で、反対運動はもとより地方選挙までもが無法地帯化している状況をリポートします。

(文=新日本帝國/政治・社会ジャーナリスト)

 

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