「しかし、実際、楽天のメーン市場は国内で、三木谷浩史社長や一部の幹部以外が日頃接しているのはほぼ日本の事業者であり、日本人です。楽天の本社に行くと、普通にみんな日本語しゃべっていますしね。問題は『形式的』に公用語を英語化していることです。例えば、幹部の会議で使う資料は英語表記が必要になるので、そのために部下が英語の書類を作成する必要がある。でも、それだとうまく伝わらない可能性があるので重要なことは日本語でも伝達する。つまり、何かを説明するのに倍の時間がかかっていると思いますよ。

 しかも、グループ内だけではなく、ここ数年、楽天は我々下請けにも『公用語の英語化』を求めてきています。例えば、楽天にこちらの商品やサービスを紹介する際にはパワーポイントの資料を英語化する必要があります。加えて伝達ミスがあってはならないので日本語で説明し、日本語用の資料も用意する。どう考えてもスピード感はないですね」(前出の営業担当社員)

下請けにも公用語の英語化を強要

 また別の下請け業者のシステムエンジニア(SE)は次のように話す。

「例えば納品したシステムがトラブルを起こし、フィードバックを行うことになった際は英語でのコメントや説明を強要されています。不勉強だと言われればそれまでですが、英語が堪能なSEばかりではないので、機械翻訳などに頼ることになります。その結果、楽天側から『意味がわからないコメントをするな』とおしかりを受けます。だから次第に何も言わなくなります。

 もともと高度な語学スキルを持っているSEは最初からうちのような国内の企業には入らないでしょう。トラブルが発生したときは混乱しているので、正直、日本語のみで対応できるようにしてほしいですね。グローバルに事業を展開するうえで、英語力は確かにに必要だと思いますが、楽天さんの取り組みは理念編重な気がします」

 楽天の正念場は続く。2021年には同グループにとってどんな年になるのだろう。

(文=編集部)

 

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