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菅政権「ガソリン車ゼロ」政策が日本の雇用を破壊!トヨタ社長が怒り爆発の理由

文=深田萌絵/ITジャーナリスト
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エコかどうか微妙なEV車を推進するワケ

 現代の環境問題のほとんどは、中国が発端となっている。二酸化炭素排出量の28%が中国で世界最多、プラゴミの海洋投棄も28%が中国で世界最多となっているため、日本が二酸化炭素排出量を減らし、レジ袋を有料にしたところで、中国発の環境汚染を議論しないのであれば世界の環境は良くならない。

 中国に配慮しながら世界各国の政治家が環境問題を掲げて自国の首を絞めたがる背景には、”環境利権”がある。太陽光パネルやEVを売り込みたいロビイスト団体からの献金や、充電ステーション事業を行う政商がバックに控えているのだ。

 それが「気候変動問題への取り組みはセクシー」という、小泉大臣の意味不明発言の裏側なのかもしれない。菅首相や二階俊博幹事長が出入りすることで有名な銀座のフィクサーも補助金による充電ステーション事業を行っており、環境問題の裏には利権屋が飛びつく”美味しい”仕組みがあるようだ。

 ところが、「トヨタはEVで遅れているから負け惜しみを言っている」と勘違いしている人も多い。それは完全な間違いで、トヨタはEVに関する研究開発も他社以上に資金を注いで行っているが、EVはリチウムイオンバッテリーの技術がまだ成熟しきったとはいえないのだ。

 リチウムイオンバッテリーは、まだまだ火災や爆発などの事故が多い。電解液や極が可燃性であることも多く、事故の衝撃でセパレータが折れたり、浸水でショートしたりすると発火する恐れがある。

 EVのリコールは世界でも相次いでいるが、原因のほとんどはバッテリーやバッテリーマネジメントシステムの不具合による火災である。さらに、EV事故が起こったときに、消防隊員側に電動自動車かガソリン車かを見分ける知識がなければ、二次災害につながる恐れもある。たとえば、単純に泡を掛ければ感電事故につながり、中途半端な量の水を掛ければバッテリーが発火してしまう。

 もちろん安全性能を試験してから出荷しているので、そんなに簡単に二次災害が起こるわけではない。ただし、筆者は自動運転の実験で自動車メーカーの試験場に入ることもあるが、その際にEVが事故に遭った時は車体から離れて専門部隊を呼ぶよう厳しく指導される。ユーザーもリスクを認識すべきだろう。

 トヨタがEVの技術を持ちながらも、小さめのバッテリーで済むハイブリッド車や燃料電池車(FCV)を推進してきたのは、企業として長期的な観点でより良い社会を築ける技術に注力してきたためであって、技術がないからではない。

 トヨタは、世界各国でガソリン車ゼロ規制が始まったことを受けて、すぐにEV投入を発表したのを見ればわかるように、技術はあるが投入することに消極的だっただけである。消極的だったのは、リチウムイオンバッテリーに纏わる問題に懸念を持っていたためだろう。

 世界は環境利権のために、総合的に見ればエコかどうかが微妙なEV車を推進し、ガソリン車廃止の潮流となっている。ガソリン車禁止の時代となれば、世界のEV車工場政策を進めている中国とEV車用半導体部品に強い台湾が世界の自動車市場を席捲することになり、日本の自動車産業が凋落するのは目に見えている。

 そうなれば、日本の労働就業人口のうち8.1%にあたる約540万人にしわ寄せがくる。そこまで考えて政治家は「ガソリン車ゼロ」を宣言したのかと、豊田氏は世の中に問うたのだ。

 62兆円規模の自国産業を潰しかねない環境政策を進める小泉大臣にとっては、国を支える産業も国民の雇用も興味はないということで、自動車産業に従事するすべての人々が怒るべきだ。
(文=深田萌絵/ITジャーナリスト)

菅政権「ガソリン車ゼロ」政策が日本の雇用を破壊!トヨタ社長が怒り爆発の理由の画像2深田萌絵(ふかだもえ)
ITビジネスアナリスト
早稲田大学政治経済学部卒 学生時代に株アイドルの傍らファンドでインターン、リサーチハウスでジュニア・アナリストとして調査の仕事に従事。外資系証券会社を経て、現在IT企業を経営。

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