例えば、某美少女RPGゲームでは、ガチャが外れても一定の金額を課金すれば自分の狙っているキャラクターが手に入る仕様になっています。ところがFGOは青天井です。何十万円つぎ込んでも、出ないときは出ません。そうした露骨な集金を問題視する声が、消費者庁や東京都などにも多く寄せられています。

 それでもファンが離れず、FGOが驚異的な売り上げを誇り続けているのは、原作者である奈須きのこ氏と武内崇氏が手掛けた『Fate』というブランドがあるからと言われています。

 『サクラ革命』の開発・運営はディライトさんが2度にわたってうちに頼み込んだらしいですね。最初は断ったということです。不安はありながらも、近年の業績不振もあり、FGOであれだけの成功を収めたメーカーさんに起死回生の望みを託そうとした上層部の気持ちもわからないではありません。

 それだけ頼み込んで受注し、仕上げてきた作品があれほど世間で問題視されていたFGOとほぼ同様、キャラの育成が困難で、ガチャも厳しいゲームシステムだったことには驚愕しました。もう少し違うゲームシステムの作品ができると思っていたのですが……。

 また、もともと『サクラ大戦』シリーズはアドベンチャーゲームでした。作中の選択肢でストーリーが変わるゲームシステムで、登場人物の感情の機微もしっかり描かれていて、深みのある作品でした。『革命』の選択肢はどちらを選んでも結果は同じです。完全なRPGにしてしまったためキャラクターを強くして、強い敵を倒すのみです。私も『サクラ大戦』にはまってセガに入社した一人なのでとても残念です」

「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク」好調

 一方、セガがサイバーエージェント関連会社のColorfulPaletteとCraftEggと組み、昨年9月にリリースしたiOS/Android向けリズムゲームアプリ『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク』(略称・プロセカ)はおおむね好調だ。世界的な人気を持つボーカロイドの初音ミクらを起用したことに加え、もともとリズムゲーム開発に定評のあった両社と組んだことで、ボカロファンをはじめ、多くの新規ユーザーを獲得できたとみられている。「Game₋i」によると昨年10月の売上予測は6.24億円(売上平均順位39.2位)、11月が同6.19憶円(同43.8位)、12月は同7.22憶円(同45.2位)だった。

「現在、スマホゲーム界隈で新規タイトルの参入はかなり厳しい情勢です。中国産の高品質なタイトルも多数リリースされています。それらに勝っていくには、プレイステーションなどの据え置き機ソフト並みのクオリティーが必要です。それができなければ早晩、日本のスマホゲーム市場は中国メーカーに占められると思います。伝統的な人気コンテンツにおんぶにだっこで、安直なゲームを作って楽に稼ぐのは、今後は難しいでしょうね。セガさんには『プロセカ』のような気合いの入ったゲームを作り、日本のゲーム業界を盛り立てていってほしいと思います」(前出ゲーム情報サイト編集者)

 コロナ禍でも安定した収益が望めると注目のスマホゲーム業界だが、前途は多難なようだ。

(文=編集部)

【2021年1月8日追記・更新履歴】

 本稿は、ゲームレビュアーのナカイド氏が2020年12月20日にYouTube上にアップした解説動画をきっかけに、当サイトが業界関係者に改めて取材をし、当該関係者の見解や意見をまとめたものでしたが、一部に配慮が欠ける表現がありました。ナカイド氏に対してお詫びし、ナカイド氏の承諾を得た上で当該動画を引用し、一部内容を追記・更新しました。

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