他のコンビニ各社に比べて、セブン食品容器に対するこだわりは強いといわれている。1988年には、コンビニ業界で初めてレンジで温め可能な耐熱弁当容器を導入した。商品開発の現場には容器をつくるメーカーの人間が常駐し、場合によっては、商品のコンセプトやアイデアを容器メーカー側から提案することもあるという。

 こだわりのある容器づくりでコンビニ業界をリードするセブンが、シュリンクフレーション(価格は据え置きで容量が減少)といったセコい目的のために食品容器のコンパクト化を進めているとは、にわかに信じがたい。そこで考えられるのが、そもそもコンビニ利用客のニーズが「内容量を増やす」よりも「コンパクトで食べ切りやすいサイズの食品」に移っているということだ。

 近年の調査によると、20年前におけるコンビニの利用客の8割は男性であったが、現在は約半分を女性客が占めている。また、一昔前に比べ、男性でも健康に気を遣う人は増えており、かつてのような“お弁当一点買い”ではなく、おにぎりやスープ、サラダ、スイーツといった3~4品を組み合わせて購入する“ビュッフェ買い”がトレンドとなっている。

 セブンの食品容器がコンパクトになった背景には、お弁当だけではなく、サラダやスイーツを一緒に買う客が増えたことが影響していると考えられる。

 さらに、コロナ禍で外食を控え、家で食事をする世帯が増加したことがコンビニの食品容器に与えている影響も無視できない。コンビニで食品を買って、すぐに食べるのではなく、冷蔵庫に保管して後で食べるという人が増えているため、コンビニ各社は、自宅で使われる一般的な500ワットの電子レンジでも早く温めることが可能な容器の開発を進めている。

 早く温めるために、底に凹凸をつけたり、絞り底にして食品の中に熱を通りやすくすることは有効で、容器の熱伝導率を上げてレンジアップの時間を短縮しようという、開発側の創意工夫と考えることもできるのだ。

 多様化する消費者のニーズにフレキシブルに対応することで、日々進化を遂げているセブンの弁当容器。もちろん、「上げ底ではないか」という声も消費者のリアルな意見には違いないが、その裏側も意識すると、少し見方が変わってくるかもしれない。

(文=清談社)

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