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コロナ:看護師、過労・差別で限界に…近所や患者から心無い言葉、家族が会社から出勤拒否

文=編集部

 全国70万人と推計される潜在看護師の雇用も進んで2015名(12月7日時点)が復職したが、調査では、潜在看護師の雇用に意外にも病院が積極的とはいえない現状が明らかになった。

「雇用する」は病院全体の53.7%、感染症指定医療機関等では47.8%にとどまった。「どちらともいえない」は、それぞれ41.2%、44.7%。「どちらともいえない」と「雇用しない」と回答した病院において、雇用しない主な理由は「潜在看護職員の知識・技術の程度がわからない」「感染症下では教育・研修の余裕がない」「看護職員を加配する経営的な余裕がない」だった。

 ホテルでの軽症者対応が多かった第1波に比べて、第3波では院内での重症者対応が増えた。その結果、ICU勤務経験を持つなど即戦力が求められているため、潜在看護師をすぐにコロナ専用病棟での戦力に起用できない事情があるという。

 この調査では、新型コロナウイルス感染症対応を理由とした離職状況もわかった。病院全体の15.4%が、コロナ対応に起因する離職が「あった」と回答。感染症指定医療機関等では「あった」が21.3%と病院全体を上回った。

「家族が感染を心配して退職を促しているケースが多い。近所の人から心無いことを言われたりして、感染が心配なのはわかるが、病院は十分に感染対策をしていることを理解してほしい」(福井会長)

清掃や洗濯などすべての業務が看護師に

 だが、看護師の業務負担は改善されるどころか、ますます過酷になっている。福井会長は次のように報告した。

「第1波に比べて第3波では、看護職の就労環境はますます悪化していると言い切ってよい。重症者の病棟に清掃業者などは入ってこられない状況で、清掃や洗濯などすべての業務が看護職に回ってきていて、本来の業務に専念できていない。病院で働いているのは看護職だけではない。各部門・全職種を含めて施設全体で業務遂行体制を見直してほしい。日看協は清掃業の業界団体と話し合いをする」

 看護師には使命感の強い人が多いが、多くの看護師の心身はもはや限界に達しているという。

「新型コロナに対応する看護職だけでなく、一般の病院や福祉施設の看護師、保健所の保健師は、疲労困憊の状態が今年の春から続いていている。報われていると思うことも看護師には必要ではないだろうか。いくら強い使命感を持っていても、給与の減額やボーナスのカットによって心が折れてしまう。危険手当の支給も含めて一刻も早く財政支援をしてくれるように、国に引き続き要請していきたい」

 コロナ禍で医療と経済は対立関係に捉えられ、ともすれば双方の関係者とも自陣営の都合を主張しがちだが、福井会長は会見当日の夜に出演したテレビ番組で「大変なのは看護職だけではなく、飲食業や観光業も大変なことはわかっている」と理解を示した。

(文=編集部)

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