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「物流業界はコロナ特需で好景気」は間違い?東京ナンバーのトラックが地方で受けた“差別”

文=武馬怜子
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「消費者に直接届ける2次輸送ではなく、業界の大部分を占める1次輸送は大打撃を受けています。予定されていた工事の休止や延期が相次いだので業務がストップしてしまった会社や、消費が制限されたことで効率の良い大量輸送ができなくなり、運べば運ぶほど赤字になってしまう会社もありました」(同)

 さらに、全国を駆け巡るトラックだからこその“差別”も報告されている。

「東京ナンバーのトラックが地方に行ったら、ドライバーが『コロナを運ぶな』と罵られたり、車体に除菌スプレーをまかれたりしたこともあったといいます。また、ある長距離ドライバーの方は、妻が勤務先の上司から『あなたの旦那さん、トラックドライバーでしょ? あちこち走り回って、どこかでコロナに感染している可能性があるから、あなたも来ないでください』と言われて、有給休暇を使わされたそうです」(同)

 橋本氏はすぐその会社に抗議し、強制的な休暇を取り消させたが、しばらく怒りが収まらなかったという。

「よくぞ言ってくれた」と大反響

 橋本氏は20代前半から約10年間、トラックドライバーとして働いた経験がある。その頃から、運転マナーひとつにしてもトラックに乗らなければわからないことが多く、そうした実情を一般のドライバーと共有できれば、事故もストレスも減るのではないか、と考えていたという。

 一方で、自分がトラックドライバーの本を書くことになるとは思っていなかったが、刊行後は「よくぞ言ってくれた」というトラックドライバーの声と共に、一般の方々からも「トラックドライバーに対する見方が変わりました」と多くの反響があったという。

「この本でトラックによる物流やドライバーについて知ってもらい、差別や偏見がなくなればいいなと考えています。今、私たちの周りにあるものの中で、トラックで運ばれていないものはほとんどありません。そこに理解と感謝があれば、社会全体が良い方向に向くのではないかと思います」(同)

「送料無料」などと書かれていると、実態のない何かがタダで自分のもとに届けてくれているように思いがちだが、その陰には、リアルな人々のひたむきな努力が積み重ねられている。ぜひ、彼らの「声」に耳を傾けてみてほしい。

(文=武馬怜子)

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