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千葉哲幸「フードサービス最前線」

女性客から支持、“ひとり焼肉”「焼肉ライク」人気の秘密…コロナ禍で飛躍の土台を確立

文=千葉哲幸/フードサービスジャーナリスト
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 有村氏自身、フェイクミートについてはアメリカの様子を興味本位で眺めていたとのことだが、ある人物からネクストミーツの佐々木英之社長を紹介されてその商品を試食したところ、その瞬間にこの食味に感動して「焼肉好きの人も喜ぶのではないか」と思い、いち早くフェイクミートをメニューに加えようと考えたという。

 導入して以来、にわかに多くの反響があった。ビーガンや健康に気遣う人が来店するようになっている状況を見て、「もの凄い可能性を秘めているのではないか」と考えるようになったという。現在、有村氏は「フェイクミートの市場はこれから広がっていき、縮むことはない」と手応えを得ている。

独自の物流システムがFCビジネスを切り拓く

 冒頭、「『焼肉ライク』は『牛角』と同じスキーム」と述べたが、その一つは「飲食のFC」であることだ。飲食業でありFCビジネスなのである。具体的に「焼肉ライク」は2020年12月末段階で総店舗数50店、FCは45店舗である。「9割FC」という姿勢で邁進している。

 最近の加盟店の傾向として電鉄系の引き合いが増えていて、すでに東急電鉄溝の口駅(神奈川)、近鉄鶴橋駅構内(大阪)、JR岡山駅の駅ビル(岡山)で「焼肉ライク」が営業している。これはこの業態が駅構内の立地との親和性が高いからだ。入店して15分か20分で食べ終わることができるので、時間を急いでいる人からは重宝されている。

 このような立地開拓ができるのは物流の仕組みにある。カット済みのチルド肉が配送され、店内では盛り付けるだけ。365日物流を実現して、店には在庫を置かない。こうしてクオリティが高い肉をクイックに提供する仕組みが出来上がっている。有村氏はこう語る。

「今後当社はFC展開を推進する企業として存在し、例えばキャッシュレス決済とか、立地、提供方法の進化系のトライアルは直営で試していき、軌道に乗った場合はFCで展開していきます」

 筆者はコロナ禍の中で「焼肉ライク」が取り組んできたことは、そのあるべき姿をより鮮明にしてきたと思っている。それは「ファストフード」ということ。「こだわりの食材で差別化する」世界ではなく、より気軽に利用できる店ということだ。

 フードサービス業界はコロナ禍によって大きな変革を迫られたが、「焼肉ライク」の場合は同社の展望の土台を築いたといえるだろう。

(文=千葉哲幸/フードサービスジャーナリスト)

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●千葉哲幸/フードサービスジャーナリスト

フードサービス業界の経営専門誌である『月刊食堂』(柴田書店)、『飲食店経営』(商業界、当時)とライバル誌両方の編集長を歴任。2014年7月に独立。フードサービス業界記者歴三十数年。フードサービス業界の歴史に詳しく、最新の動向もリポートする。著書に『外食入門』(日本食糧新聞社、2017年)。

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