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木村誠「20年代、大学新時代」

慶應大学が公認会計士&司法試験に強い本当の理由…早稲田を圧倒する三田会の内部格差とは

文=木村誠/教育ジャーナリスト
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東京歯科大と合併で慶大歯学部が誕生か

 慶大は2008年に共立薬科大学と統合し、薬学部を誕生させた。また、東京歯科大学と2023年度の合併を目指して協議を進めており、歯学部の誕生が見込まれている。これらの流れは、ニトリがホームセンターの島忠を吸収合併したケースを想起させる。以前から両大学の創立者などが慶應と関係が深く、教授などの交流もあったという点が、企業間のM&Aとは違うところか。

 薬学部は薬剤師国家試験向けの薬学科系が6年制に移行し、製薬など研究系が4年制に分かれた。4年制の卒業生では、大学院に進学する者が増えている。国立大学歯学部で4年制を主体とする大学も少なくないが、私学の歯学部は6年制を主体としているケースが多い。伝統ある共立薬科大は、医学部と連携して、薬剤師養成とともに医薬の総合的研究に活路を開いたということであろう。

 東京歯科大学も、コンビニより多いと言われる歯科医院などの独立した歯科医養成だけでなく、病院における歯科医療の拡大を踏まえて、医学部と直接連携できる慶應との統合を選んだのであろう。また、同大市川総合病院を慶大附属病院に移行するメリットは、双方にとって大きい。慶應にとっては、東京や神奈川に比べて千葉に系列病院が少ないデメリットを解消できるからだ。

 医学部や看護学部に加え、薬学部と歯学部を統合する医療のコングロマリット化は、今後の慶大の最大の強みとなりそうだ。慶應は時代の流れを読むのがうまい。

(文=木村誠/教育ジャーナリスト)

●木村誠(きむら・まこと)
早稲田大学政経学部新聞学科卒業、学研勤務を経てフリー。近著に『「地方国立大学」の時代–2020年に何が起こるのか』(中公ラクレ)。他に『大学大崩壊』『大学大倒産時代』(ともに朝日新書)など。

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